昨今、ワタミを始めとする巨大サービス企業における過重労働の実体が問題となっております。
なぜ、小規模な個人経営のような店での労働実体は余り問題にされず、ワタミ等の巨大企業の労働実体だけがピックアップされるのでしょうか?
私は、企業が巨大化すると、それにともない労働環境が悪化するのでは無いかと推論しています。
上記の推論を説明するために、極端な例ですが、3人のクレーマーについて思考実験をしてみましょう。
出現頻度:1000人に一人の割合で出現。
クレーム:『ここで買った包丁が入ってた箱が潰れてるんだけど、新しいのと交換してくれない?』
要点:外装の問題を商品の問題であると主張する。
出現頻度:10000人に一人の割合で出現
クレーム:『ここで買った包丁で竹を2つに割ろうとしたら刃が欠けたんだけど、ふざけんなよ。新しいのと交換しろよ、てめえ。』
要点:通常想定し得ない使い方によって商品が破損したが、それは商品自体の問題であると主張する
3.ミラクル:現実とゲームの区別が付かない佐藤さん(35歳:無職)
出現頻度:100000人に一人の割合で出現
クレーム:『ここで買った包丁を振りかざしてもベギラマが出ないんですけど!不良品なので交換してください!』
要点:言っていることが意味不明かつ理不尽だが、商品の問題であると主張する。
-------------------
次に、町の金物屋さん、近所のスーパー(市内に3店舗)、日本一の巨大流通企業に、どのくらいの頻度で田中さん、鈴木さん、佐藤さんが襲来するかザックリ試算してみよう。
■町の金物屋さん
1日の来店者数:10人
1年の来店者数:3650人
ノーマル・クレーマー:およそ3人/年 →店主の判断:まあ、四半期に一人くらいだから適当にアシラエバいっか♪
スーパー・クレーマー:およそ0.3人/年 →店主の判断:まあ、3年に一人くらいだから追い返せばいっか♪
ミラクル・クレーマー:およそ0.03人/年 →店主の判断:そんなヤツいねーよwww
■近所のスーパー
1日の来店者数:1000人
1年の来店者数:365000人
ノーマル・クレーマー:およそ300人/年 →経営者の判断:毎日のよう、このようなクレームが発生するので、確実に対応せねばなるまい。
スーパー・クレーマー:およそ30人/年 →経営者の判断:一ヶ月に2,3人ほど、このようなクレームが発生するので、それなりの対応は必要だろう。
ミラクル・クレーマー:およそ3人/年 →経営者の判断:さすがに、この意味不明な要求は追い返そう。
1日の来店者数:10000000人
1年の来店者数:3650000000人(のべ)
ノーマル・クレーマー:およそ3000000人/年 →経営者の判断:対応を通常のオペレーションに組み込む必要がある
スーパー・クレーマー:およそ300000人/年 →経営者の判断:対応を通常のオペレーションに組み込む必要がある
ミラクル・クレーマー:およそ30000人/年 →経営者の判断:対応を通常のオペレーションに組み込む必要がある
※従業員のオペレーションマニュアルは全店舗の状況を俯瞰した上で作成されるものと考えます。
上記の思考実験から分かるように、企業が巨大になると、日常生活では稀にしか遭遇することのないレベルのクレーマーに日常的に遭遇するようになります。
個人経営レベルでは、軽く追い返されていたような意味不明なクレーマーまで、大企業の従業員は適切に対応する必要が出てきます。
日本の過剰サービス、それに伴う従業員の過重労働は企業の巨大化が原因の一端にあるのではないでしょうか?
以上
アメリカの小売りはバンバン返品をうけつける。そして返品受けたらそれで解決とする。 日本の場合は、返品を受け付けたくないがために揉めて泥沼化する。
すげぇ青二才並のレベル