ぼくはとあるカラオケチェーン店で、アルバイトとして半年間働いている。
そこが今まで働いた中では一番ブラック。客が少ないときは多くの人数を働かせなかったことにする決まりらしく、18時あがりのバイトを17時あがりに変更することを17時5分に伝えられる。すき家よりははるかにマシだろうけど。
業務中、競合店調査に行ってねテヘペロってご指示が。
説明しよう、このご指示は12時に徒歩3分の競合カラオケ店に行き、埋まってる部屋の数を調べて、13時・14時にもまた調べて2時間歌って帰るだけの簡単なミッションである。
競合他社様も理解しているようで、高めのドリンクバーを執拗にすすめるし、部屋のドリンクバー注文機械は使えないし、デンモク(歌う曲を選ぶ小さな機械)もうまく送信できなかった。ワイシャツと黒ズボンで一人で来る時点でバレバレだろこれ。
デンモクで番号を調べて機械本体で番号入力した。コードギアスメドレーを入れた。
ある記憶が蘇ってきた。
2年前に青いSNSで会った兄ちゃん。
なんか意気投合してオフでカラオケに行った。なんかすごくリア充でぼくに気を使ってくれて、
で、なんどか遊んでオフと言うより友人になってたと思ってた。
で、また遊びに誘って明日遊ぼうねーって約束してたはずなのに、ぶっちされた。
ぶっちの理由を聞いたけどスルー。いけしゃあしゃあとふぁぼられ狙いのツイートしてる。
これが二度続いたんで、こいつのアイコンを二度と見たくないと思いリムーブした。
(回想ここまで)
「見上げた大空が青く澄み切って行く!」
そのときデュエットした歌詞を聞いてあいつのことを思い出した。
無意識に、カラオケオフに行ったときは最後にデュエットを歌うことにしてる。あいつの影響だったんだと気づいた。
僕から縁を切ったと思ったら泣けてきた。こちらがなにか失礼なことしての対応かもしれないので相手が悪いなんて言えないが、不誠実に感じたんで二度と顔も見たくないののも事実。
ソファに寝転んで色々考えた。友達がいないぼくの相手をしてくれて本当に楽しかったなーなんて考えてた。
帰ったら競合店調査の時間は休憩時間として処理するよテヘペロって言われた。いつからすき家だと錯覚していた。辞める前に今まで働いた時間の給料を要求してやろうとメモをとってる。