http://diamond.jp/articles/-/12591
どうもフツーでは無い気がする。それになんか順序が変だ。
フツーは、老後にいくら使うか決めてから、その金額を貯めるんじゃないの?
爪に火をともすように苦労して、やっと65歳で1億貯めて、それから使うの?
それぞれのフツーな老後を考えて、いくら貯めれば良いかはすぐ判る。
ライフスタイルを考えるのも、実行するのも、簡単だ。
じゃあフツーってなに?
それは、まあ真ん中辺りの生活って事かもしれない。
平成21年度の国民生活基礎調査を見ると、所得金額の中央値(まあ真ん中辺りの値)は、427万円である。
年収300万円時代の世帯収入は、旦那が327万、奥さんが100万の共働きって仮定はそこまで悪くない。†1
427万円 x 0.8 x (60-27) = 1.13 億円
つまり、27歳の終わりから60歳で定年を迎えるまでに1億1千万稼げる。
1億は稼げるのか……だがちょっとまって欲しい。
あの計算では65歳までにとか謎な計算になってるが、定年は60歳だろう。
平均寿命は85歳ぐらい。(年率3%で運用っていう仮定よりは無茶ではないだろう)
つまり、2人で25年を生きるのにさらに頑張って稼いで1億貯めると、毎年400万円使える。
これはおかしい。順序が変だ。
普通は、こう考えるだろう。
「収入のなくなる老後も、今までと変わらずに過ごしたい。年金は75歳からとか言われるかも知れないからボーナスぐらいに思っておいて、貯金を切り崩して生きていきたい」
すると、こうなる。
(427万円 x 0.8 x (60-27)) ÷ (85-27) = 194万円†2
全ての稼ぎを死ぬまでの年数で割るだけ。つまり、毎年194万円で過ごせば良い。
「家賃は収入の3割が目安」の格言に従うなら、だいたい54000円。
更新料共益費込みだと額面家賃の1.2倍が実質家賃って所だから、4万5千円の家に住もう。
毎月12万3500円貯金して、4万5千円の家に住み、残りの10万7500円†3で過ごせば良い。
定年の時には4800万円貯まってる。
持ち家か賃貸かって金額だけなら同じぐらいだけど、この収入ならリスクは取れないから賃貸一択。
4万5千円の家で、毎月使えるお金が11万もあれば、子供が1人ならがんばって育てられる。
もちろんだよ。427万円ってのは、貧乏な生活なのさ。老後を考えるならね。
人生楽しくない、老後ばっかり考えて生きたくない、若いうちに遊びたいし、子供には豊かに育って欲しい。
そうだろう。そういう考え方も悪くない。
家賃+二人で5万円もあれば生きていける。年金が出れば旅行にも行けるかも。それでいい。
じゃあ、毎月家賃コミコミで11万で生きていけばいい。それなら3千300万で済む。毎年100万円貯金だ。
毎月8万4000円貯金して、20万1000円で好きなところに住んで、生活すればいい。
意外に楽しく過ごせるもんだ。老後資金をためながらでもね。
家族持ちなら掛け捨ての保険には入ったほうが良いと思うけど、それは人によるだろう。
病気をしたり、怪我をしたら、あとで生活水準を落とすつもりで貯金を多めに使うんでも良いしね。
大丈夫。300万も使うような病気になったら、平均寿命までにお迎えがくるさ。
フツーの夫婦が、(それぞれにとって)賢く人生を楽しみながら老後の資金を貯められる。
ね、簡単でしょ?†4
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†1((最も多い100~400万円世代は、世帯収入が共働きじゃないだろうから考慮しなかった。厳密さが気になる人は、全国消費実態調査の夫婦共働き家計あたりでデータを引っ張ると良い。))
†2((給料が上がらない仮定は悲観的だとか定年は誕生日月だとか税金が20%でざっくりだとかは、そういう計算だと思ってスルーしておくのが精神衛生上良いだろう))
†3((更新料共益費分が引かれてるから残金少なくなってる))
†4((がんがん制度改正される年金はかなり悲観的に見たけれども、日本国に賭けるならもっと余裕がある。厚生年金なら働いてる時の50%はもらえるハズなので、生活水準を落とすなら老後資金の貯蓄はたったの5年分で良い!まあ、FXや株に比べればオッズは悪くない))