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2022-03-01

メガネ業界が「儲けウハウハ」のカラクリ ハズキルーペ、ゾフ、ジン

https://president.jp/articles/-/29313?page=2

PRESIDENT 2019年7月19日

三浦 愛美

三浦 愛美フリーランスライター

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「必需品から嗜好品になった瞬間、人はお金を払うようになるんです」

もちろん複数所有を可能にするには価格関係してくる。上記ブランドは軒並み5000~1万円の間で「3プライス」もしくは「4プライス」を提案。選べるメガネの種類は膨大でも、価格選択肢シンプルしたことで、本来価格商品には手を出せない若年層までもが、「親に買ってもらう高額商品」としてのメガネではなく「自分で買える商品」として選べるようになったのだ。

3万円のメガネが5000円になる

しかしここで疑問が生じる。従来3万~10万円もした品が、なぜ一気に5000円に下がるのだろうか。

柴山氏は「おそらく品質にさほど大きな違いはないはず」とコメント

商品流通数が少なければ競争も限られ高額な価格帯が保持されますが、多売できるようになれば薄利でも儲けが出るからです」

新興ブランドJINSと、老舗ブランド三城HDの数値を見てみよう。

「『新御三家』中で上場企業JINSのみ。ここは一時株価の上昇で話題になりましたが、決算書を見る限り経営は堅実です。18年8月期時点で売上高548億円。7年前の118月期で145億円でしたから、3.7倍の成長です。しかも原価率約25%、利益率75%をほぼ維持しているのが見事ですね」

一方の三城HDはというと、原価率約33%、利益率は67%だ。実はこの微妙な数値の差が全体的な業績に大きく影響してくる。

「仮に1000円のメガネ販売するとして、JINSは原価250円利益が750円になる。一方の三城HDは原価が330円で、670円が利益。もちろん実際はほかに人件費やら広告費やらがかさみますが、この差は全体収益に大きな違いをもたらします」

JINSなど新興ブランドが原価を低く抑えられる理由は、企画デザイン生産販売までを一貫して行うSPA方式採用しているからでもある。ユニクロZARAなどに見られる手法でもある。

ハズキルーペの“過激CMの1シーン。老眼鏡のイメージ一新

流通量が多いか価格を下げられ、価格を下げられたか流通量も増える。「新御三家」はこの波にうまく乗れた成功組といえる。

とはいえこれが業界成功の最終形態ではない。18年の大ヒットはなんといってもハズキルーペである。これも「老眼」や「ルーペ」という本来隠したくなる要素を、「老い」とは無縁そうなエネルギッシュな渡辺謙をはじめ錚々たる俳優陣のCMイメージ一新さらには女性のお尻で耐久性を試すなど過激演出効果もあり、一気に話題を集めた。

 
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