2016-07-31

ゴジラを見てきたので(ネタバレあり)

最高の一言に尽きる。

小手先武力では刃が立たずに破壊されていく東京

それを見上げるしかない無力感

遠くの爆発でなく知った街が説得力のある蹂躙を受けていく

これほど心に響くものはなかった

津波としての第二形態から逃げ惑う人々、押し流されていく車

地震原発火災としての第三形態に為す術もない自衛隊

官僚人類ゴジラ災害一騎打ち

未曾有の大災害が一人の天才やら奇跡発見メカゴジラといった虚構兵器によって解決されるのではなく

電車爆弾ビルドミノ倒しという人類の叡智の蓄積でなんとか無力化まで持っていくプロセス

会議シーンでは出来る人間ゴロゴロ出てくることで、ワンシーン、2シーンだけ登場するキャラクターも誰もが主役となっていて

あくまでも現実日本人vs現実災害という図式を最後まで保つことに成功している

インディペンデンスデイのような感動の演説にも涙がなく、ゴジラ停止後もパシリムのような喝采シーンが無いのもいい

もちろん感動的な音楽が流れることもない

スローモーションで抱き合ったりもしない

日常虚構を飲み込んだまま仕事粛々と続いていく

いつ人類を再び壊してしまうかわからないゴジラを抱えたまま歩みを止めることはない

「今の日本映画でこれだけのことができるのか」という感覚を超えて「今の日本にはこれができる」という錯覚に陥るのは

前半の淡々とした会議テレビ報道お役所仕事といったリアリティ機能しているか

キャラクターとしてのゴジラでなく、舞台装置としての彼をここまで描いた映画存在しなかった

そして我々が紛うことなくそ舞台の上にいることをはっきりとつきつけてくる

少なくとも今後数十年これを超えるゴジラは現れない

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