もう傷つきたくはないんだが、絶対に傷つかない会話なんてない
会話がうまく行かなかった。話せなかった。話そうとしたら蹴られた。言葉が帰って来なかった。
その時はなぜ殴るのか、その時の自分の態度や行動が悪いのかと考えた。
今になって考えなおしてみると、そうではなかったのかもしれない。
彼は実際には僕の表面上の行動や言葉や態度が気に入らないと考えていたかもしれない。
だけどそんな彼にも生活があって。楽しいと感じる日常があって。
いやその逆に悲しい日常もあったんだろうと。その憤りをぶつけていたのかもしれない。
かもしれない。かもしれない。かもしれない。
いやわかりはしない。確実に。
僕は人とどう話していいかよくわからなくなった。いくら進学しても。自分に自信がなかった。自分のことを語るのが恥ずかしくて。
こんな自分でいいのか。こんな自分がいいのか。よくない。良くない。反省。なにかに反省。
部活。クラス。学校以外の自分の活動。そのどれを取ってもうまく人と話せた人なんていない気がする。いやそれはしょうがないのだ。うまい会話を経験したことがないのだから、どれとどれを比べてもうまくはないはずだ。
部活。うまくいった、ような気がする、吹奏楽部。楽しかった、気がする。過去。今じゃない。
話は飛ぶんですが、「~でよろしかったでしょうか」って店員に聞かれることあるじゃん。あれって今さっき聞いたことも「かった」って言うってことは、どんだけ現在と過去が近いんだって話だよね。ITとかの影響でやっぱり俺らの時間の感覚とかおかしくなってんのかな~
とかいう話をしたい。こういう会話がしたい。無理だろ。まず世間話じゃねえな。
世間話が出来ない若者が増えてるらしいね。俺だね。まさに俺。自分から話しのネタを振れない。ニヤついてるだけ。流れる時間と俺の冷や汗。何喋ればいいかわからなくなる。その場だけ死にたくなる。その場にいたすべての人の記憶がなくなればいいと思う。
なくなりはしない。最低だ。それはない。どうでもいい人間にはなりたくないと思っているくせに。自分勝手。自分のことを語れない自分勝手。
結局さ、俺が俺のことを自分で語らない以上、俺のことをわかってくれている人間なんていないんだよ。言い過ぎだったら少なくともかなり少ないと言おう。そしてそれは俺の望んでいたことだが同時に寂しい。これで良かったのだと言いながらいま刺さっている棘も痛いとか言い出す始末なわけですよ。どんだけ~
馬鹿か。しかしな、こうしてしまった負の部分はあまりにでかい。今まで汚いものとして、どうでもいいものとして扱ってきた自分をいきなり見たところでどう見たらいいかわかりはしないのだよ。
名前はわかる。性別もわかる。生年月日も住所もわかる。家族が何人いてどういう生活をしているかもわかる。生活。いや全ては説明出来ないけど自分なりに友人へ説明するくらいだったら納豆ほどの自信はある。あれは旨い。
そうじゃないんだ。つまり今何をするのが楽しいのか分からないということだ。サークルがいいとは思えない。入ってもいないのに。やってもいないのに。何もしていないのに。何もしていないからだといえないのは何もしていないからだ。何もしていないのは得しないとはいえない。何故ならば何もしていないのだから比べられないからだ。
誰かに何かをさせられた覚えが無い。いやある。掃除当番がいい例だ。ヤラセられだ。ヤラせられと今からヤルを比べればいいじゃねえか。掃除当番よりいいことしてみろよ。ボランティアか?面白くねえ。もっと面白いこと考えてみろよ。面倒くさい。
だからだめなんだ。面倒くさいでおわっちまうんだもの。だから馬鹿なんだ。だいたい馬鹿な奴っていうのはすぐ諦めちまったり面倒臭がったり勝手な思い込みをしちまう奴のことを言うんだぜ。少なくとも俺はそういう奴のこと馬鹿だって言ってきたし、今現在そういう奴が俺だ。
いやいやそんなことをいったところでどうなる。俺が俺のことを馬鹿だって思う。だけ。どうにもならん。しょうもない。努力が必要なのか。どういう努力なのか。自分が何者なのかを説明出来る努力。どんなに汚い惨めな馬鹿だとしてもそれがそうなのだと表現できる言葉が人を目の前にして出てくるのか。練習が必要。もっと自分の行動にくっついた感情に敏感になれよ。その感情を言葉化しろよ。