2012-08-13

虚構新聞なんかのために夫を嫌いになりたくない

私は虚構新聞が大嫌いなのだが、私の夫は虚構新聞を大好きで、虚構新聞を大嫌いな私の気持ちを解さない。

「騙されたからって、そんな怒るなや。ただのネタやん」

違う。私は虚構新聞に騙されたことなんて今の今まで一度もない。誓っても良い。一度たりとも騙されたことはない。

私が虚構新聞を嫌っているのは、虚構に騙された悔しさからではない。虚構新聞が弄する虚構の背景に漂う他者を小馬鹿にした感覚と、ユーモア踏み込みの浅さが不快であり、尚且つそんなユーモア面白がる夫のような人々のセンス不快からだ。

虚構新聞はかつて自らを和製モンティ・パイソンであり、公人を対象にした風刺だと称していたように記憶している。

笑止千万だ。

私は中学生の時にNHKで放送されていたモンティ・パイソン番組を観ていた程度なので彼らの熱心なファンではないし、さほど詳しくもないのだが、モンティ・パイソン虚構新聞には雲泥の差があると感じる。

その一番大きな点は自らを嘲笑の対象に出来るか否かだ。

モンティ・パイソンは何もかもを徹底的にコケにする。時には自分たちのことさえも無茶苦茶ネタにして観客の引き攣った笑いを誘発する。

虚構新聞にそこまでの覚悟があるだろうか?

かつて、けつのあなカラーボーイにネタにされたとき虚構新聞中の人間は何をしただろうか?

こともあろうに、こっそり運営している日記の中で「わけの分からない奴らに傷つけられた可哀想な自分」をアピールしたのだ。あれすらも彼なりのユーモアなのだとしたら面白いよ、認めよう。まあ、違うんだろうけど。

虚構新聞標榜する風刺とやらに関しても、私は理解を示せない。私と彼とでは風刺の定義が違うのかもしれない。風刺とは、少なから市井の人から権力への攻撃という側面が備わっているべきだと私は考える。

その点から言うと「ホリエモン脱獄した」という虚構の、なにが風刺なのだろうか。この虚構によって攻撃されるのは何なのだろうか。私には微塵も分からない。そして、「ホリエモン脱獄したという虚構を面白がる」ことの意味と、その背後に潜む暴力的かつ短絡的な感覚について、私の夫のような人間は少しでも考えているのだろうか。

つい先日まで店頭に並んでいたスペリオール西原理恵子刑務所までホリエモンに面会に行ったときのことを綴った漫画が掲載されていた。更正の道を歩む彼の姿を適度に温かく、しかしちゃんとギャグにすべき点はギャグとして、そしてホリエモンを身内であるかのように扱うことの覚悟を込めて描かれた肝の座った漫画だった。

ベテランプロ漫画家である西原理恵子と、虚構新聞比較することは不適切かもしれないけれど、同じ人物を題材に笑いを取りにいきながら、アウトプットされたものの質や品性にここまで差が出ることを虚構新聞はどう思うのだろうか。聞いてみたい気もするし、聞きたくない気もする。

上記のような話を何度かに分けて、その時々で表現や実例を変えながら夫に話していたら、彼は私の前では虚構新聞の話はしなくなった。しかしそれは、彼も虚構新聞を認めなくなったからではなく、単純に私とこういう話をすることが面倒くさいからだ。現に、夫は、隠れて作っているTwitterの副アカウント虚構新聞サザエbotに「ワロスwww」などとコメントを付けた非公式RTをしばしば投稿していることを私は知っている。本人はバレてないと思っているのかもしれないが、iPhoneロック画面に表示されるFav、RT通知で丸わかりなのだ

夫は良い人だ。基本的には朗らかで優しいし、趣味や話はあうし、家事育児も私の負担になりすぎないよう配慮してくれる。だから虚構新聞のことなんかで嫌いになりたくないんだよ。

追記

釣りでーす。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20120813213141

記事への反応(ブックマークコメント)