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1997年から行方不明になり、北朝鮮による拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」とされていた福井県若狭町の元町職員の男性(51)が昨年6月、県外で見つかったことを受け、町は25日、個人的理由で失踪し職務上の義務に違反したとして、死亡退職としていた措置を取り消し、懲戒免職処分にしたと発表した。
男性は97年4月、「B&G(若狭町)の艇庫に行く」と言い旧三方町役場を出たまま行方不明に。車が放置され、カヌーがなくなるなど当時の状況から、県警は2002年から拉致の可能性を含め捜査した。しかし、昨年6月、県外で無事が確認され、自ら失踪したことがわかった。
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男性には不明直後から5年間、給与が支給されたほか、04年4月の時点で死亡退職とみなし、県市町総合事務組合が退職金を支給した。森下裕町長は「捜索に多くの方が協力し、迷惑をかけたことは誠に遺憾」とコメントした。
現在、県外にいる男性は弁護士を通じてコメントを発表。失踪理由について、ナホトカ号の重油流出事故の対応に追われて「尋常でない精神状態で、逃げ出したい一心で身勝手な行動だった」と謝罪。「後悔の中で、拉致という大きな問題に広がり、帰ることをあきらめた」としている。