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草 無自覚なんだなぁ
人は他人の成功について、その人の特別な能力によるものだと考える傾向にあります。一方で不幸な出来事についてもその人の行動が悪いからだととらえてしまうことがあります。これは「公正世界仮説」という心理的な要因が影響しています。今回は、心の安定にもつながる「公正世界仮説」のメカニズムを解説します。
公正世界仮説とは
良いことをした人には良い結果が、悪いことをした人には悪い結果がもたらされると考えてしまう心理的バイアスを公正世界仮説といいます。バイアスとは物事を認識する際に、これまでの経験や固定観念から合理的でない考え方をしてしまうことです。
公正世界仮説は、1960年代に社会心理学研究を行っていたメルビン・ラーナーによって提唱されました。不透明な未来への恐怖心を克服するための仮説です。人間の行いに対する公正な結果を信じることで、人間は必要以上の警戒をせずに生きることができる、という考え方です。将来や未来についてのポジティブなイメージを抱き、未来に期待を寄せることができるようになるといった心理的効果があるとされています。
一例をあげます。
新型コロナウィルスの感染者を責める風潮が報道などでも取り上げられています。個人や企業で感染対策を徹底していても、感染してしまうことは往々にあります。
こうした背景には感染者を攻撃することで、不安から目を背けようとする心理が働いているのかもしれません。「感染者は感染するような行動をしたから」と思い込むことにより、自分の中で起きた不安を解消しているのです。