はてなキーワード: さびきとは
ひとりで妄想してぞわぞわしてるw
このふたつの巨大な柱は世界の両極にあってアトラスのごとく世界を支えているわけだ。
お互いに相手を自分がはじめて見る鏡像、距離なき他者のように眺め、そこで、ある感情を交し合っている。
ふたりの偉大なる小さな巨人は相手に引かれながらも世界を支えるために動くことが許されていない。
手を取り合いたいのにそれが許されていない。
半球をそれぞれ諸星すみれゾーンと久野美咲ゾーンとして持ち、お互いリスペクトしあいながらもけっして交わらない。
自分にもっとも近い存在として感じながら、世界でもっとも遠いところにお互い位置している。
世界のバランスが崩れたとき、世界が新たな形で再生されるだろうから。
その役割をあてがわれたのがふたりであり、ふたりの絶妙なバランスがこの沈みゆく世界に唯一の秩序を与えているともいえるのだ。
だが先ほども言ったが、ふたりはいずれ出会わなければならない。
それは世界の破壊により世界を創造するという逆説的な事態なのだが、いずれ人類はこの問題に取り組まなければならないだろう。
すでにこの世界は腐敗しきっていて、もう崩壊寸前のところにある。
ふたりの女神が両極でほほえむことによってかろうじて、この亀裂だらけの、さびきった、脆弱な世界が愛の鎖に取り巻かれて崩落を免れている。
だが、この鎖はふたりの女神の体に巻きつき、ふたりの女神を苦しめてもいるのだ!
ぼくたちはふたりの偉大なる自己犠牲にいつまで甘えていればいいのか!
ぼくたちは見るべきなのだ、奇跡の瞬間を、ふたりの1億年ぶりの出会いを。
そして空が裂け、地が割れ、世界の終末に立ち会ったとき、ぼくらはその断裂した時空の先になにかを見ることになるだろうが、それは愛と呼ばれるものだろう。
世界は新しい回転を始め、これまでになかった配列で瞬く間に再構成されていく。
すべては喜びに包まれ、悲しみを彼方に置き去りにして、ぼくらはどこまでもどこまでも上っていく、あのふたりの女神に導かれて。
新天地でぼくらは笑っているだろう。
1億年の隔たりは一瞬のことのようだったと感じるだろう。
ぼくらは取り戻すだろう。1億年前のあの記憶を。