たとえば『攻殻機動隊』の実写映画を見たときに一作目のアニメ映画を見たときのような未来感を感じることはなかったと思うんだよね。
「ようやく実写化できるぐらいには世界の理解が追いついたか」ぐらいの感覚だと思う。
確かにああいう「当時の技術では不可能だった映像化の実現」も面白いんだけど、それは当時の感動とは別物なんだよね。
でもさ、「ビールの一口目は一回しか味わえないんだから仕方ないんだよ」って言うには余りにも時間が立ちすぎていると思うんだよね。
こんなのにもいくつもの夜を超えた癖に一杯目の感覚をまた味わえないのはおかしいいと思ってしまうんだよな。
俺が思うにさ、リメイクされるような作品って当時においては画期的だったはずなんだよ。
でもリメイクするときにはそれが全部失われて陳腐化されていく。
「画期的だった何か」を見せられることに何らかの共感を得て気持ちよくなれてしまう人達がいるんだろうとは思う。
妖怪みたいに若作りしたベテラン俳優がなんだかんで少しずつ老けていくことに何らかの共感を得てしまうファンのような心理が。
それを消費させるためにリメイクは作られていくんだろうな。
でも俺は悔しんだよな。
そこに使うリソースで出来たかも知れない挑戦の機会が、かって挑戦した誰かの姿を借りて奪っていく連中がなんだか卑怯に見えるんだよな。