2024-04-07

戸建て新築の引き渡し直後に施主が死んだ

ちょっと前の話。

若い夫婦で未就学のお子さんがいる三人家族

金曜に引き渡しをして書類の押印も頂いて、あとは施主が家具を入れてから完成写真撮ってフォトアルバム作りましょうねーって話をしてたところだった。

日曜にご主人が突然倒れて、搬送先で亡くなった。

月曜に出社したら営業バタバタしてて、明日明後日か?葬儀があるとかカメラマンキャンセル入れるとかそういう話をしてて、すっげえショック受けた。

俺はなんのために仕事してんだって思った。

亡くなったのはもちろん悲しい。病気持ちでもなんでもない普通会社員のご主人で、本当に急だったし。残された奥さんとお子さんのこれからを考えると本当に暗い気持ちになる。だけどそれ以上に、あの家族のために作った家になんの意味も無くなったってことが虚しくて虚しくて仕方が無い。

俺は施工関係担当から施主と直接話す機会はそう多くはなかったが、建築意図は知ってる。

ご主人が在宅で仕事するからワークスペース作る、とか。

子供をもう一人予定してるから子供部屋は二ついる、とか。

当面は三人で寝るデカいベッドを入れるからその幅だけニッチを作る、とか。

そうやって未来のことをいろいろ考えて作った家で、ご主人が暮らせなかったんだよ。在宅仕事はしないし子供は増えないし寝る時は奥さんとお子さんの二人だけ。ああだこうだと相談して作ったのが全部パア。意味がない。

どうこう言っても仕方ないから、たぶん奥さんとお子さんの二人で住むんだろう。住むしかいから。奥さんどうするんだろうな。再婚とかするのかな。したいと思っても簡単にできないし、二人で生きていくのも簡単じゃないよな。

引き渡ししたからローンも始まってる。会社的には問題ない。施主も団信に入ってたか免除された。そのあたりの問題は何も無い。不幸中の幸いってやつ。なにが幸いだよって感じだけどな。

ほんとなんのために作ったんだろうな。なんでこんなことになったんだ。なんで今この人が死ななきゃいけなかったんだろう。信じたこともない神様になんでだよって思ったよ。

こんなことで、自分が意外と仕事に誇り持ってんだなって気付いたよ。本当に最悪だ。

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