何が将来当たるかどうかわからないのだから、基礎研究に金を幅広くバラ撒けという声はよく聞くが、
当たりクジがわかるなら苦労はしないと言う意見もあろうが、確率と研究は違うので違う戦略が取れる。
海外、とりわけ資金に余裕のある米国で研究成果が出た分野をいち早くキャッチアップして、当たる確率を上げる、といった戦略だ。
まるっと装置を買ってきて、それでキャッチアップ出来る人材さえいれば良い。
最近だと、量子コンピュータがわかりやすい。IBMのを買ってきて、そこからアレンジして成果を出す。
ゼロからユニークな成果を出すことが苦手な日本人にとって向いている。
海外に遅れると煽るのも、税金を使う上で国民の声が後押しし易い構図なのだろう。
GAFAに行けるような能力のあるのに給料が安いという声がある。
だが国も大学も金がない。誰かが稼がなきゃならない。
結局、その優秀な能力を活かして何かしらか稼ぐ手段を持たないといけないのだろう。
昔のように基礎研究がいつか応用されて金になる、という時代ではなくなっている。
人類の興味関心で科学が進歩したとして、それが金を生み出すなんてことはもうない。
応用先を検討しない研究は、研究のための研究で終わる時代になっている。
研究成果が大学の地元の産業で役に立つのであれば、お金を出してくれる人・企業は出てくるはずだ。
アカデミアの興味関心だけで研究し、GAFA並の収入が得られるだけの国力はない。