2023-07-23

「時給1500円以下の仕事しかできない人」

最近最低賃金議論を読んでると、

「時給1500円以下の仕事しかできない人」というフレーズ

生産性が、労働者個人に固有のものであるかのように語られている。

しか生産性は、経営者が用意する生産環境に大きく依存する。

たとえば、ある労働者がある製品を1時間に1個作れるとして、

それを100円で売る企業と、300円で売れる企業では、生産性は3倍違う。

(実際には原材料費等があるから3倍以上違うが、単純化して説明する)

また、設計工程の工夫で同じ製品が半分の時間で作れるようになれば、2倍違う。

こういった環境企業側が用意するもので、労働者個人寄与は小さい。

とすると、生産性は、労働者ではなく企業側によって決まるものではないか

少なくとも、製造現場ではこういう認識だ。

ある会社の用意する、ある環境の下では、

ある個人は時給1500円を超える価値を生み出し、

別の個人は時給1500円を下回るかもしれないが、

同じ人が別の環境にいけば、3000円の仕事が出来るのだ。

生産性とは、そのようなものである


こういった工夫をしない旧態依然としたゾンビ企業が生き残っていることが

生産性低迷の主犯なので、企業新陳代謝を促し、

そういった企業には退場してもらうというのが、最低賃金議論ではないのか。

(これ以外に、原材料費海外人件費が上がっているのに、

日本だけ据え置き・低成長では、相対的購買力が下がって

これを継続するとジリ貧になってしまうので、追随させるという要素もある。)


というわけで

「時給1500円以下の仕事しかできない人」は、実際には

「時給1500円以下の仕事環境しか提供できない会社」の間違いである。

最低賃金を上げると失業率が上がるという指摘は、これが主客転倒しているのではないか

  • 高く売るだけで生産性上がるなら中抜きしてる卑怯な会社が得するだけだろ 頭大丈夫かよ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん