結局俺は、洒落たハイソな店でウインドウショッピングとか、立派な劇場で高尚な観劇とか、空いた時間でボルダリングとか、そういう都市的なアクティビティには興味がなくて、ただ植物園に行ってウロウロして、でけえ温室に入りてえだけなんだよな
植物園って、人が並んでねえ入り口で高くて400円程度のチケットを買うところからもう始まってんじゃん
800円とか1200円とかじゃなくてさあ、300円とか400円とか、ヘタしたら温室入らねえならタダだったりするわけじゃん
その、やっすい入場料を払いながらよ、受付のある事務所に設営された、葉っぱの栞を作ってみよう!とか、まつぼっくりを拾おう!みたいな企画を目の端に捉えてさ、ヒア・イット・ビギンズ、俺の一日が始まるということになる
植物にそんなに言うほど興味ねえし、オフシーズンに来てるからさあ、実際園内に入っても、解像度はずっと低いままなんだよ
時期が良けりゃ花が咲いているんだろうなって感じの、特定の花、バラとか百合とか、そういうのをフィーチャーした花園があってさ、でもシーズンじゃないんで実際には4輪くらいしか咲いてなくてさ、ただエキゾチックな名前の書かれた立て札と、茎と葉だけがあるわけじゃないですか
そういうのとか、あとはよくわかんねーでけえ樹、これはマジでデカくて、木ってでけえんだなみたいな感想が自動的に出てくるんだけど、逆にいうとそれでおしまいなんだが、そういうものを見る 見るしかない
池なんかもあってさ、鯉ほどアトラクション性のある魚はいなくてさ、ただなんか、メダカかな?みたいな感じのちっせえ魚が、俺の影に反応して、すばしっこく逃げ去っていくのな アメンボがいたり、水草が植えられていたりもする 黒いビニールの、ヒダ状になった給水パイプが、ガサガサした質感をしている
そういう場なんだよな
そういう場をウロウロしたあとに温室に入るとさ、外の疎な感じに比べて、全体的に密でさ、珍しい、見たこともないような、綺麗な植物が、まあバンバン植わってるわけですよ
温室の天井は高くて、半透明で、そのガラス越しに弱い陽光が見えたりして、常に水音がしていて、しかし本質的には静かな感じがするじゃない
ベンチなんかを独り占めしても、あまり問題だという感じはしない 人がいねえから
だから座り込んでジッとしたりするわけですよ
そうしてその静かさに慣れながら、メインの熱帯温室を出て、日本の花とか高山植物とかの、余韻系の部屋を通って、外に出たらさ、外はまあ冬の温度でさ、遠くからは車の走る音なんかが聞こえたりして、日光も直接当たってくるし、なんつうか、まあ、外なんだよな
それで帰っていくわけじゃん
そういう体験なんだよな結局
そういう体験がしたいんだ
文化ァー。金が無いと維持できませんな。
金がないと家が烏蘞苺や蕺薬草に覆われるよな
植物園最後に行ったの多分15年かそれ以上前だな 札幌 園内に生後2か月くらいに見える仔猫がいて、職員にかわいがられてて一回だけ抱かせてもらった やんちゃでかわいかった あの子...
温室の近くにあるゴミ焼却場を見て 「ああ、ここで出た熱という副産物を捨てずに温室に使ってるんだな。効率的で、なんだかお得な気分だな 」 と毎度思うのが好きです。
福岡市には動植物園があります。温室もバラ広場もあります。
野生のボケもクサボケもバラ科なんだけど 園にあまり飾られない件 ボケ酒はめちゃ旨い
札幌の北大植物園には、ミシュランの観光ガイド(グリーンガイド)で3つ星がついた、熊送り(イオマンテ)のビデオがエンドレスで流れているのだが、(多分)ほとんど誰も知らない...
俺の住んでいるところは30分以内に植物園も、映画館も、美術館も、複合商業施設も、東京駅も、銀座も行けるよ(マウント)
豊洲プギャ━━━m9(^Д^)━━━━!!
すごく好きな感想
語り手:大泉洋