髪型をほめるのも避けるべき、などとセクハラの常識は以前より浸透したように思うが、トラブルは増え続けている。
「男性上司が女性社員のお尻や胸を触ったり、エッチな言葉を投げかけるなんていうことは論外だし、実際にはほとんどない。
セクハラだと声をあげる女性は増えているが、事情を聞くと、セクハラは言い過ぎだろうという微妙な話がほとんど。
男性社員が妻と子供の写真をデスクに飾っていたら、お局OLが『私が未婚なことをバカにしている!』と激怒するみたいな話にはため息が出てしまう」
それでも女性社員に訴えられたら、圧倒的に不利なのは男性社員のほう。
企業イメージを守りたい会社側としては、表面化させないことが最優先だから、
水面下で穏便に片づけるために、まず女性に頭を冷やすように説得する。
それでもダメなら、男のほうを一方的に左遷か自主退職に追い込み、何とか女性社員の怒りを解く事に専念する。
企業側の理不尽な裁定に異議を唱えて法廷闘争に発展するケースも珍しくないけど
その場合、裁判所は男性上司が社内の力関係を利用して女性に関係を迫った、という構図を認定してしまいがちだからだ。