完全に自分を棚上げして書く。
世の中には致命的に「他人向けの文章」がうまく書けない人がいる。
ここでいう「文章を書く能力」とは、「りんごを一つ買った」というような単文を作る能力を意味しているわけではなく、
記事全体の構成や、段落ごとのまとまりを意識して、「その記事全体で何を言いたいのか」「その段落は何を言いたいのか」を文章で他人に伝えられる能力のことを意味する。
これがもう壊滅的な人がいる。
自分の知識が前提になっていて、読者のレベルが想定できていない。行間を端折りすぎている。
「上級者向けです」などと言う前提を出してくるが、どうみても完全に「自分向け」であり、対象の読者を自分にした時点でそれは記事じゃなくて備忘録だ。
それはもう個人ブログでやってくれ。
そしてこういう他人向けの文章を書く能力は、あとからなかなか鍛えられない。
そもそもそういう人たちは、それをせずに済む術を身につけていて、その能力を鍛える必要に駆られないからだ。
例えば事あるごとにMTGをしたり直接話したがる人もその一種だと思っている。
メールやチャット、あるいはドキュメントで伝えれば済むものを口頭で済ませようとするのは、他人向けの文章が書けないからだろうと思う。
なぜなら文章力〇〇以下の人は記事を書いてもらうのを止めておこうという言い訳を作れるからだ。
「あなたは文章力ないので記事書くのNGです」なんて言い分は通らない。
こういった人たちに対して、それぞれうまく言いたいことが伝わるようにレビューをして文章を修正させるが、
そもそも崩壊気味の文章をいくら取り繕ったところで限界がある。
そうなるともはや自分で書き直したほうが早いレベルになる。だがそんなことをするとその人の記事ではなくなるし、その人のプライドもあるだろう。
結果的にレビューの工数が異常に膨らむ一方で、記事としては普通に読みづらいものが出来上がる(それでもレビューをしただけ多少マシ)。