2022-05-20

レッスン代を封筒に入れる理由

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1194673826

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000147004


人間性を単なる手段としてではなく、つねに目的として扱うように行為せよ。」

これがカントの打ち立てた道徳律である

その生徒さんにはそこら辺の意識が欠けている。

モノ(=物件)は単なる手段である私たちはわざわざ自動販売機にお礼を言ったりはしない。

しかし、人間手段であると同時に目的でもある。私たちコンビニお茶を買ったあと店員に礼を言うのはそのためである


同じように、あなた(先生)と生徒との関係は、ビジネス(=手段)であると同時に一人の尊重すべき人間同士(=目的)である

生徒はあなた(先生)を尊敬する。

あなたも同じ音楽を志す生徒を大事にして、真剣に教える。

かといって生活のためにはお金をもらわない訳にはいかない。これがレッスンにおける師弟関係である

その意味で、レッスンは単なるお金だけで結ばれた関係であると主張するその生徒さんは道徳的でない。

「謝礼」という言葉には、サービスの対価や報酬以上の意味を持つ、という含意がある。


レッスン代を封筒に入れるという問題は、まさにこのことに関連した美意識であると思う。

先述の通り、レッスンはビジネスであると同時に、いち人間同士の関係性でもある。

生徒は思う。尊敬する先生お金を直接渡すことは、お金で結ばれた関係を強調するという感じがして憚られる。

からといって生徒は、先生お金を払わない訳にはいかない。

したがって生徒は、そのあからさまな感じを避けるためにお金封筒に隠して渡す。

あなたテーブルの上のお金を隠したのもそういう理由による。


この美意識あくまで個々人が取り行うべき礼儀作法である

音楽業界にはそういう道徳的な決まりが暗黙の内にあるという、ただそれだけのことである

本来ならば生徒自らが身に着けるのがよろしい。

もし礼儀作法のなっていない生徒が来たら一蹴する。

レッスンが音楽家同士でされている内はそれで良かった。

しか最近では一般人がレッスンを受けることが広く普及してきた。

礼儀作法を知らない生徒が出てくるのは当然である

  • なんかちょっとためになりました。 ありがとうございました。

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