https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1194673826
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000147004
「人間性を単なる手段としてではなく、つねに目的として扱うように行為せよ。」
その生徒さんにはそこら辺の意識が欠けている。
モノ(=物件)は単なる手段である。私たちはわざわざ自動販売機にお礼を言ったりはしない。
しかし、人間は手段であると同時に目的でもある。私たちがコンビニでお茶を買ったあと店員に礼を言うのはそのためである。
同じように、あなた(先生)と生徒との関係は、ビジネス(=手段)であると同時に一人の尊重すべき人間同士(=目的)である。
かといって生活のためにはお金をもらわない訳にはいかない。これがレッスンにおける師弟関係である。
その意味で、レッスンは単なるお金だけで結ばれた関係であると主張するその生徒さんは道徳的でない。
「謝礼」という言葉には、サービスの対価や報酬以上の意味を持つ、という含意がある。
レッスン代を封筒に入れるという問題は、まさにこのことに関連した美意識であると思う。
先述の通り、レッスンはビジネスであると同時に、いち人間同士の関係性でもある。
生徒は思う。尊敬する先生にお金を直接渡すことは、お金で結ばれた関係を強調するという感じがして憚られる。
したがって生徒は、そのあからさまな感じを避けるためにお金を封筒に隠して渡す。
音楽業界にはそういう道徳的な決まりが暗黙の内にあるという、ただそれだけのことである。
本来ならば生徒自らが身に着けるのがよろしい。
レッスンが音楽家同士でされている内はそれで良かった。
なんかちょっとためになりました。 ありがとうございました。