2022-04-25

オタク気質の変化 って言うと大げさかもしれないが

20世紀のオタクというのは、オタクとしてそれぞれの分野にのめり込んでいって、それなりのささやかな成果を得たとしても、それを以て自己肯定感を得たりとか、他人から評価に結びつけて考えたりという物の考え方が全体的に薄かった様に思う。

オタクは男オタクも女オタク露骨馬鹿にされていた時代でもあったから、オタク趣味私的な楽しみに深くつながっていて社会性と結びつき様がなかったので、それは当然の帰結だったのかもしれない。

そのうちに段々とオタク趣味を「生理的に受け付けない」年齢層(昭和の頃には電車内でマンガを読むことにすら嫌悪軽蔑を感じる人達大勢いた)が死んで黙っていくことや社会的実力を失って相手にせずに済むようになってきたこと、オタクたちも年齢が上がって全体的に社会的実力もついて行き、マジョリティにはなれないものの、かつては反発や嘲笑が恐ろしくてできなかった自己肯定的な主張が出来る様になってきた。

その段階になって、自己防衛的に個人や狭いオタク同士のコミュニティで閉じていたオタク趣味には社会性が強まりオタクであることに対して自己肯定感が持てるようになった。 オタク世間嘲笑軽蔑視線を覚えている世代と、それが薄れてからオタクとなった世代に別れてきていて、前世紀に受けた嘲りを忘れられない古参オタク自己肯定感(それは踏みにじられて素直に育つことの出来なかった自己肯定感だ)と、そうでない若いオタクのそれには、かなり違う肌合いを感じるのである

21世紀の最初の10年はオタクにとっては坂の上の雲を目指す良い時代だったのではないかと思うのだけれど、今やその時代も既に終わり、オタク好みの趣味表現物が再び卑しく反社会的と見做され、オタクそれ自身もまた卑しめられて当然という扱いに再び変わりつつある。

諸行無常であるなと。

  • 選ばれなかったオスがせめてもとやってる暗い性欲から生まれ出でた表現であるところは正直あるだろうから、なんかたかだかポスターや広告の話が弱者男性論だのあてがえ論だのに派...

    • 揉めると話が変な方向に転がっていくのはよくあることよ つーか、あれくらいの広告なら許せよ…程度の言い争いなのに、なぜか表現の自由だとか言い出して、無駄に風呂敷を広げ始め...

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