2021-04-05

エヴァ仮面ライダーを痛烈に批判していた荒木飛呂彦なんだが、その荒木が大嫌いな庵野が次やるのが仮面ライダーという。このなにか偶然とは思えない感じ。

全く私事なんだけど個人的荒木作品って絵の芸術性は認めても、話自体はそれほど面白いって思ったことがない。基本的マッチョイズムで、ヒーローピンチに陥ったら常に冷静でなければならないという謎美学がある(まあ逃げる主人公も中にはいるけど)。だから無慈悲な敵を見つけた場合、他作品では許せないこいつ、という態度になるのに対して、荒木作品ではかなり突き放した態度で敵に望む「こいつ……! 人を実験台と考えてもなんとも思わないやつだッ! 感情を押し殺しているとか、そういうタイプじゃあない。生まれつき「そういう」やつなんだ。出かける前の朝食みたいに人を殺せるやつだッ!」みたいな長考が入る。その数秒で作戦練っちゃったり。

逆に庵野場合苦しいを通り越して鬱になっちゃって、目標に向かってスイッチオンするだけの人が登場する。どっちが人間心理に近くて共感やすいかといえば、圧倒的に庵野ジョジョなんて窮地に陥ったとき計算機のように頭脳がフル回転するだけで稀有存在ですよ。あんなの。共感できるわけがない。まあ実体験として窮地になるとそうならざるを得ないんだけど。ただ心情としては庵野のほうが理解やすい。荒木いわく戦いはカラッとしてなきゃならないらしいけど、戦う時点で楽しいわけ無いでしょと俺は思う。だから戦うのがつれーなあ、という仮面ライダー哀愁共感性があるわけで。

じゃあ人間としてどっちが付き合いやすくて、どっちと付き合いたいかといえば荒木なんだよなあ、これが。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん