よく言われることだけど、この世の中の金の使い道に人件費以外は存在しない。バランスシートという概念をつまみ食いするから勘違いするけれど、人間以外は金を所有できない。
昨今税金の使い道として「何々(goto とかだろうね)は間違えている医療に回せ」といった言論があるけど、医療従事者の総数が決まっていて新規雇用が出きない状態にしてしまった上にそもそも医療従事者は金に困っている訳ではないという大前提があるなかで、そこへバラマキを実施して得られる政策的効果は極めて限定的と言う他ない。例えば十分にバッファを取って教育を施している業務独占資格、保育士や介護士においてそこに金を回すことはすぐに政策的効果を発揮するだろうけれど、特に医療の現場系の免許ってそれを持ってその職をやらない人がほとんどいないというちょっと異常な資格が多いのでそこに金を回しても彼等の資産がそのまま増えるだけ。人は増えない、なぜならいないから。なら潰れそうな業界に金を回せる Goto の方がまだマシ。
医療に金を回せと言っている人は公的扶助の本質的な部分が分かっていない。頑張っている人や大変な思いをした人に金を回すのは民間でやればいい。公的機関は基本的に再分配に注力するべきで、その本質は金銭的に大変な思いをしている人に金を流すことにしかない。