僕は20代前半の男子大学生。人生で彼女がいたことはない。長年アニメや漫画を愛好してきたが、以前の熱は冷め、今はネットサーフィンばかりしている。Twitterをやっていると言っても、全然人気があるわけではないし、友達もそんなにいない。承認欲求が満たされないから余計に異性を求める気持ちが高まってしまう。
僕の性生活の話をしよう。
僕がよくオナニーに使うのはアイドルの画像だ。性的対象の顔に行き過ぎた執着があり、顔がかわいければ下が服で覆われていようがすぐに射精できる。AVを使ったことはほとんどない。
アイドルに惹かれる自分はいる。だが自らの異性への欲求を満たすためだけに相当な量のお金やエネルギーを使うことを想像するとどうしても踏み込めない。新しい場所に足を踏み入れて自分が変化してしまうのがとても怖いのだ。
アイドルは異性を求める気持ちを満たすのに非常に適したコンテンツだ。
僕が身近な女性に恋をしたとする。何の魅力もない僕に彼女は振り向いてくれそうもない。僕は渇望しても得られない虚しさに耐えながら生きるしかない。
ところが僕がアイドルに恋をしたらどうだろう。当然そのアイドルが自分に振り向いてくれる可能性はない。だが、同じアイドルへの気持ちを共有する仲間がいる。彼らは彼女のことが本気で好きな自分を笑ってくれる。彼女のこんなとこがいいよな!と一緒になって彼女の魅力を語り合える。身近な女性を好きになった場合に、こんなことがありえるだろうか。
届かない対象への恋は必ず深い傷を伴う。アイドルというシステムは、オタクに深い傷を与え、同時に癒す。そこは誰かに恋しても傷つかないままでいられる空間であるはずだ。
オタクは自傷行為なのかとハッとした。
普通の異性にも相手にされない人間が、 高嶺の花に対しておかしな思い入れを持って浪費する仕組みがわからん。 お金勿体ないじゃん。
本能に淘汰されてなお本能に翻弄される哀れな生物の姿だ