老眼になると小さな字が見にくくなるらしい。うちの母と話をしていて聞いたのだが、仕事で使う資料の字が小さくて見にくいので独立変倍の機能を使うといいらしい。私は使ったことがない機能だったが、独立変倍とは、縦方向又は横方向のみに拡大・縮小するもの。
https://manuals.ricoh.com/mfp/p_manual/MP5054JPN/ja/copy/int/0059.htm
会計ソフトから出力する試算表等の細かな字が並んだ資料を、縦方向に数%だけ文字を拡大すると格段に見易くなるという。普通の拡大ではなぜダメかというと、横幅いっぱいにレイアウトされた資料を拡大するとA4の資料がA4に収まらなくなってしまい、ページをまたぐと一読できないしファイリングに困るということだ。独立変倍であれば、縦だけに伸びるのでページ下部に余分な情報があればカットすればいいし複数ページになっても見易く、高齢の経営者に渡すと喜ばれるそうだ。
ところが会計ソフトのバージョンアップで、以前は印刷時に選択できた独立変倍の機能がカットされてしまい大変困っているということ。ソフトベンダーの担当者に言っても他のユーザーではあまりそういう要望がなかったらしい。
母は独立変倍の機能を重宝しており、オフィスに入れている複合機にもこの機能があることを重視している。以前に買い替えた時に、代理店の担当者にもそれを伝えて商談がまとまっていたのだが、向こうの手違いで独立変倍がない機種であったことがわかり、値段はそのままで数段階上の高級機種が納入されることになったそうだ。
メーカーでも販売店でもユーザーの間でも、この機能の便利さはあまり知られていないらしく、高級な機種でないとついていないらしい。確かに、家庭用のプリンタードライバやAdobe Acrobat Readerを見ても独立変倍のメニューはない。技術的に難しいことでもないと思うので、メーカーは標準的にこの機能をつけるようにして欲しい。