東京都内で連休中に電車に乗っていると、車内の広告スペースが埋まっておらずスカスカなことに気づく。
コロナウイルスのせいで通勤客が減っている。不況がやってきている。連休中で乗客が少ない。出稿者側からしたら、広告をそんなに出してもしょうがないのだろう。
そんな中、車内では、脱毛サロンを運営する会社の広告だけがやたらと目立つ。
そもそも、広告を打つ必要のある商品は、広告で人を集めないと買ってもらえないから広告を打っている。
脱毛サービスはいったん捕まえた顧客を離さないで、継続的にお金を払わせて利益を出すビジネスモデルになっている。
だから脱毛会社は顧客獲得のために広告費用をものすごくかけている。
緊急事態宣言にともなう外出自粛のせいで、脱毛サロンも大きな売上減となっただろう。今でも感染リスクを怖れる客足がそんなに戻っていないかもしれない。
だが、家にこもっていても毛は生える。
そんなわけで、脱毛会社は脱毛機器を貸し出すサブスクリプション型のサービスをはじめた。もちろん、このサービスは、ご家庭でできる既存の脱毛手段(カミソリ、ワックス、家庭用脱毛器具等)と競合している。
コロナウイルスをきっかけに、脱毛会社はサロンを中心としたビジネスモデルから転換を図らなくてはいけなくなったわけだが、機器を貸し出すだけでは他の脱毛手段との差異化がはっきりせず、実際には迷走しているだけかもしれない。
そうこうしているあいだにも脱毛会社からお金はどんどん出ていく。
人件費の面ではおそらく手を打っているだろう(サロンの技術者さんが人減らしにあったり、給料を減らされたり等)。
だが当面のところ、大量に広告を打って顧客を獲得するというビジネスモデルを変えることができず、広告費を湯水のように垂れ流し続けている。
華々しく広告を出しまくっていた脱毛会社のキャッシュが底をつき、ある日突然倒産のお知らせが流れても、あまり驚くことではないかもしれない。