開発リーダーやマネジメントをやったこともあるが、基本的に今でもずっとコードを書いているし今後も書くだろう。
俺はよくバグを出す。ひどいバグもよく出す。障害報告書が必要なバグの原因となるのが俺の設計・実装・テスト観点の見落としに由来していたことはしょっちゅうだ。どうすればバグがでなくなるか、テストの技法を学んだり、アーキテクチャの勉強も何年もしている。勉強したことを共有するのが好きなので登壇も時々する。それでもやっぱりバグを出してしまう。
手ひどい障害をおこしたときは俺も誰かの設計したアーキテクチャで、誰かの指示のもとコードを書いて、テストをして、俺が責任を持たないで済む仕事をしたいと思う事もある。
けど、ビジネス側に「これが決まらないと実装できません。以上」と優秀でビジネスに寄り添わない開発者に突き放されて宙に浮いた要求を「完全ではないけどこうすれば要求は限定的ですが満たせそうですね」とかやっちゃうんだよ。
俺は上司やビジネスにとって都合のいい存在なので、優秀でビジネスに寄り添わない開発者よりも出世してしまう。俺は優秀な開発者の軽蔑を感じながらも大事な機能を任されてバグ入りの機能をリリースしてしまう。
きついなーと思いながらも、そんなとき俺は黒田硫黄の「セクシーボイスアンドロボ」の一節を思い出す。「もっとうまくできる人がいれば、その人に投げ出していたかも。でも、それをやる人はほかには居なかったの」(voice11. 鍵)
俺の尻拭いをさせられている後任が何人もいることも、もちろん知っているし罪悪感に苛まれる夜も多い。
けど、俺は才能はなくとも常にベストを尽くしているんだ。その時、それをできる人間は「宇宙で私だけ」(voice3. エースを狙え!)だったんだ。お前はその時その場にいなかったか、寄り添わなかったか、手を挙げなかったんだ。