これと言ってコンサルになりたかったわけではなく、ただ選考が早く始まっていたから試しに受けてみて内定をもらったような形だ。
一応内定を貰ってからちょっとだけ考え、特にやりたいこともない自分にはいろいろな業界に触れられそうな環境はいいかもな、と思って入社を決めた。
会社の先輩に入社理由を聞かれて話すと、「若いうちにいろいろな可能性を残しておけるのはいいことだね~」と言ってもらえたりもする。
はたして本当にそうなのだろうか。
思い返してみると、やりたいことベースで進路を決めたことなど一度もない。
小学生の頃は毎日のほほんと楽しく過ごし、周りと同じように地元の中学校へ進学。
まあまあ賢かったので、勉強で特に困ることはなく高校受験もクリア。
高校生にもなると、自分の世界を見つけて進んでいく人間が周りに現れ始めた。
そんな人達を横目に見つつも、大学で専門的に学びたい事柄が見つからなかったので、とりあえず学部を決めずに入学してもいい大学を選んで進んだ。
4年間、ほどほどによく勉強し、ほどほどに楽しく大学生活を謳歌した。
そして就職。
傍から見れば順風満帆そのもののような人生だけれども、それを貫くような軸は何もなくて、外面だけきれいに整えられた人生のような気がする。
およそ60年くらいは続くであろうこれからの人生、何にも打ち込めず、何にもやりがいを感じられないまま歳を重ねてゆくのだろうか。
誰の心にも残らないような日々を過ごさなければならないことが怖い。
マジで保険入っとけよ 共済だけでもいいから