僕はモテなくて彼女がずっといない。ぼーっとしている間に30歳を過ぎてしまった。とはいえ、そのことを僕自身はあまり気にはしていない。
ほしくないといえば嘘になるが、なにがなんでもほしいというほどの熱量はない。いい出会いがあればいいなという程度だ。彼女を作るためにあちこちでかけたり、誰かに紹介をしてもらおうなんて気持ちはない。それで生涯独身になるなら仕方ないとすら思っている。
もしかしたら僕が少数派なのかもしれないが、そういう人間もいるのだ。
先日、会社の飲み会があったが、そのなかで腑に落ちない発言があった。
「○○君に良い子を紹介してあげてよ」
僕の現状を見かねた上司が女子社員にそう声をかけていた。話を振られた女子社員たちは皆困った顔でやんわり断っていた。なんだこれは。公開処刑じゃないか。
恥ずかしい思いをしたこともかなり腹に据えかねていたんだけど、一番もやっとしたのは、自分では全然気にしていないことをさも問題があるかのように扱われたことだ。そして、さらにそれを他の人達に投げかけて迷惑をかけている。これも非常に腹が立った。
恋愛はこの年齢になったらしていないといけないのか?恋愛ができない自分は異常なのか?その問題はすぐに解決しなくてはいけないのか?
これを英会話に置き換えてみる。
「彼はこの年齢にもなって英語が話せないんだ。このままだとまずいから、○○君に誰か英語を教えられる人いない?」
日本に住んでいる多くの人は英会話ができなくても生活に支障はない。それをさも異常者のように上のようにお世話を焼かれると、ほとんどの人は良い気分にはならないと思う。僕にとって「良い子を紹介してあげてよ」と世話を焼かれるのはこれぐらい余計なお世話だった。
世話を焼く、というのは基本的に相手を一人前の人間として扱わない行為だ。良かれと思ってしたことも、相手のプライドを傷つけることになりかねない。誰かにおせっかいをするときには細心の注意を払うべきだ。相手が問題だと思っていないことに対しては特に。
そういうところがいいという女性がいてもなかなか積極的になれないのが日本の風潮だから 風潮が気になるならかまわずつっこめって煽ってるんだろ そのまままってればそのうち公開処...