もう何年も前の話。自称進学校にはちょっとカッコつけたやつらがいて、よく仮病で保健室に行き、保健室の若いお姉さんと雑談するのがちょっとしたブームになってた。
高2の5月、クラス替えに伴って変化した人間関係も落ち着いたころ、俺は高校生活で初めて授業中に保健室に行く決心をした。
「ちょっと次の英語、保健室で寝てくるわー」休み時間に友達にそう言い、英語の先生が来たら体調不良を訴え保健室に行った。
いざ保健室の前に着くと、少し緊張した。
「失礼しまーす、体調悪いんで休ませてくださーい。」
そう言ったらまず体温を測られて、測られながら名前とクラスを記入させられた。
当然、体温が高いわけではなかった。
今後の私の人格形成に関わる衝撃的な一言を結構きれい目な養護教諭の先生から言われてしまった。
イケてる側だと思ってカッコつけて授業サボろうと赴いた保健室で、いじめられっ子扱いされて心配されてしまったのだ。しかも若くてきれいな女の人に。
私の心はズタズタに引き裂かれた。「いや、そんなことはないっすけど・・・」消え入る声で伝えてそれから10分くらい普段の生活について聞かれた後教室に返された。
教室に帰るのはつらかったが、あまり覚えていない。英語の先生には心配されたが、クラスメイトの「ん?ww」みたいな反応は空気で感じた。
見た目イケてたらそうはなんないわな
いい先生だったね
そこで、「やだな、違うよ。先生に会いに来たんだよ。」とかさらっと言えればイケてる部類なんだがな。その後、どう成長したんだろ。
私がこう言うのは説得力がないが、それだと「痛いやつ」から「痛くて気持ち悪いやつ」になる気がしてならない。 ちなみに私はそれから、人に感謝されることを頑張るようになった...
悪くてイケてるやつじゃなくて、良いイケてるやつになったのは偉いわ。 良いことしてると誰かが見てるもんよな、きっと良い縁とかこれから沢山あると思うわ。 無理しないで頑張って...