周囲の人間は原付なんてやめるんだ!って言って自分を止めた。みんな普通免許を持ってて車に乗ってる。
雨や雪が積もった日は乗れないし、荷物は乗せられないし、事故ったら車より危ないし、札幌の道で原付乗っても不便だって。そうなのかもなぁと思ってた。時間もないし。
徒歩とJRとバスで生活できたし、車の維持費は手取り15万にとってはかなり高いように見えた。それに運動音痴でテンパりやすいので、たぶん運転も下手だろうと思った。でも、どっかぷらっと行きたくなったんだ。あとひょんなことからプライベートの時間にすこし余裕ができた。
色々調べてみると原付は原動機付自転車というだけあって、維持費が安いようだった。原付は駐輪場に停めてもいいし、車検もないし、燃費が良い。対人対物無制限の任意保険も自賠責も車に比べたらマシだった。メンテ費用だけ未知数。
だからこのあいだとりに行ったんだ。原付の免許。原付の免許は8500円でとれる。
原付の免許の試験は学科だけだ。実技はない。でも、実技講習を受けるのが必須になってる。実技講習で運転してみると、案の定、下手くそだった。発進の加速でびびるうんちですみませんと思った。
学科試験の合格率は50%代で意外と低い。ナメると落ちるらしく、無勉が合格率を下げてる要因のようだった。試験の日は平日で仕事を休む必要があり、一発でとりたかった。なので、結構気合を入れて勉強した。受かった。原付の免許は、試験を受けた当日に交付された。
免許をとったその日に中古の原付を買いに行った。そこのお兄さんはすごく優しくて色々安くしてもらった。本当は、あらかじめ高い価格を言っておいて値引きましたっていって妥当な価格にしたのかもしれないけれど、それでも良かった。気持ちの良い接客の鑑のような人だったから。