高度経済成長期以降、私が生まれたバブル崩壊の頃までは、今から考えれば旧態依然とした…というか古い考え方が主流で、肩書や資格、権威、過去の実績などが重視された。
高学歴は高学歴というだけで安泰だっただろうし、大企業に入りさえすればそれだけで安定していた。
特定の資格(医師、弁護士など)は取得さえすればやはり安泰だったのではないだろうか。
それが2000年代に入り、起業・ベンチャーブームともいうべきか、権威や実績はなくとも結果さえよければ評価される、大切なのは表面じゃなくて中身だ!みたいな価値観に変わった。
それまでの時代の価値観に対する反省みたいなものもあったのかもしれない。
恋愛において見た目(いわゆる三高)重視から中身重視に変容したのもこの時期ではなかったか。
就活で学歴偏重から人物重視がうたわれ出したのもこの時期ではなかったか。
そして2008年のリーマンショック以降、経済を中心に人々は(色々な意味で)「守り」に入ったように思う。
ITなど様々な面で技術革新が起こり、少ない労力で手軽に質の高いものを利用し楽しめるようになった。
1~数枚の写真と短文のみの情報で、非常にたくさんの「いいね!」を獲得できる「インスタ映え」するものが高く評価された。
多くの人が一目見て「いいね!」と感じるものが評価される…それはあたかもかつて権威や資格、過去の実績など「誰が見てもよいと思うもの」が評価されたのと酷似しているではないか。