急に思い出したし放置すると多分また忘れてしまうので、ここに書いておく。
別段お高いところじゃなかったんだけど多分子供個人個人を詳しく知ろうという意図だと思う。
子供である自分と母親の二人で園長さんから色々質問を受けるんだけど、子供の自主性を見るためってのは最初に言われて母親は控えめにってことだった。幼児である自分は、こういうシーンの経験がなかったので、すごく責任を感じて張り切っていた。ちゃんとしなきゃ!という気持ちが強かったのを覚えている。
そこで園長先生に「食べられない食べ物はなんですか?」と聞かれた。今思い出せば当たり障りのない、ふつうの、世間話的な質問だ。
でも当時の自分は健康優良児で今は嫌いな納豆も普通に食べられていた。つまりは嫌いなものはなかった。だからごく当たり前に「ありません」と答えればよかったし、周囲の期待はそれだったと思う。
でもこの時自分はすごく責任感を感じていて「ありません」は非常に無責任な、考えることを放棄した返答だと感じてしまった。つまり、無駄にやる気をだしたのだ。よせばいいのに。
そこで悩んだ挙句「ナスのヘタの部分は食べられません……」と告白した。トゲトゲしてるし、間違えて口にして怪我をした記憶があったから。
面談は終わり、母親と帰るとき、すごい説教を受けた。この説教は、折りに触れ数年続いた。
なんでも面談が終わったあと母親は園長と(自分を除いた)二人で話したのだが、その席で子供に対してナスのヘタを食べさせるという虐待を行っているという疑いを持たれたのだそうだ。もちろんそんな虐待の事実はない。「私はお前にそんな酷いものを食べさせているのか?」という説教は、だから今にして思えば極めて妥当なものだと思う。素直に謝罪したい(もうできないが)。