少し距離も離れてたから、なんか電話友達みたいになってしまってて、あんまり付き合ってるって感じがしない時期もかなりあった。
大学に入って、いよいよ放ったらかしになってたから、きちんとお別れをして友達に戻らせてもらった。
それからかなり月日も経って、俺は自分の結婚パーティーにその元カノを呼んだ。
同じグループでその子だけ外すと明らかに不自然で「今でも意識してんのか!」って感じで恥ずかしいレベルだったから。妻にも承諾してもらった。
特に何事もなく、結婚パーティーが終わった。すると間も無く、その元カノから連絡があった。
「私も結婚するよ。」
俺は結婚式に呼ばれた。呼ばれて断るのも「まだ意識してんのか」という感じで不自然だから、承諾した。
結婚式一週間前、俺は嫌なことに気がついた。そういえば、お母さんと面識がある。当日会ったら、どんな顔をすればいいのか。急に不安になった。
「ごめん、ちょっと聞きたいんだけど、お母さんは俺が出席すること知ってるのかな?」
「うん、知ってるよ」
「特に何も言ってないよね?」
「うん、だってお母さんはキミのこと嫌いだしね」
お母さんは当日、俺に3回くらい「結婚したらしいね」と話しかけてきた。意識しすぎ。
会場で受付をする時に名前を言うと「お噂は伺ってます」と言われた。
チャペルも綺麗だった。
でも、特に切ないとかそんなことはなく、穏やかな気持ちだった。
他の友人の結婚式と同じように。
ただ、ただ、おめでとうという気持ち。
と思ったけど、そんなのは嘘だった。
ハゲてる。
ハゲてる!
それはそれは見事にハゲていた。
それを見た瞬間、すーっと心が晴れやかになっていくのを感じた。
めちゃめちゃ意識してた。
俺、物凄く意識してた。
どの程度のハゲかにもよる。
こいつはネトウヨだな