たとえばインターネットやIT技術、その向こう側に画期的な世界が広がっていると信じられた。
でも今はそういった物が凄く弱まってる。
人工知能が発達しまくっても人間がちゃんとエサを与えて管理してやる必要があるから仕事はそんなに楽にならない。
新しい技術で便利になるのと同じだけ、覚えるべき知識が増えるから作業量は大きくは変わらない。
人と人が沢山繋がれるようになっても、それは薄い繋がりを沢山重ねるだけにすぎない。
濃い繋がりを遠くの人と作れるようになっても、その分のエネルギーで作れた近くの人との濃い繋がりがそこに入れ替わっただけだ。
指数関数的な人口爆発のように社会が急速に素晴らしくなるというイメージは妄想に終わった。
ようやくパワハラやマタハラが問題視されるようになっても、問題視されているだけで無くなった訳じゃない。
働き方を改革しようとすれば、改革するための作業によって時間を取られて結局残業をする。
太陽光発電システムを作るために大量のエネルギーが使われ地球は温暖化され資源は枯渇へと近づいていく。
少なくとも、自分たちが生きている間は。
自分たちの寿命が無限になったり、脳がコピー出来たりすることも恐らくない。
昨日生まれたばかりの赤子だって、そんな時代が来るより前に死んでしまうだろう。
世界の歩みがこんなにも遅いなんて予想してなかった。
夢見がちだった時代が終わった。