数年前に大学の講義を無料でネット配信するとかいうのが話題になったが、めっきり続報を聞かない。
まあ、単位認定につながらないのでは、授業だけ受けたってしょうがないから仕方がない。
自分自身、最初に話を聞いた時には何かすごい流れが来ているようにも思えたが、そうでもなかった。
もちろん、少人数のゼミや理系の実験のように、現状ではネット配信で代替するのが難しい授業も多い。
しかし、そういう技術的な問題以前に、この道には先がないというだけなのかもしれない。
もしかしたら、大学にとって講義など、タダで配るくらい本当にどうでもいい存在なのかもしれない。
仮に教育の部分が空っぽになったとしても、箔をつける機能さえ無事なら問題ないということだ。
今の時代、知識はただあるだけでは無意味だ。信頼のおける組織の認証や選抜を経て、初めて意味を持つ。
知識や経験を大学が担保するのが学歴で、国家が担保するのが国家資格である。
通信制がいつまでたってもメジャーにならない理由もここにある。
入り口の段階で何か楽をしていると、AOと同じでどうしても一段低く見られてしまうからだ。
それでも、真面目にやればきちんと卒業できる通信制にはまだ救いがある。
ネットやら何やらで学びの手段が増えたところで、それはおそらく何も担保してくれない。
あの頃、いつでもどこでも学べる時代が来て、これから大きな夢が叶うかのように語る人がいた。
しかし、結局夢は夢でしかないのではないか。無意味な学びが増えるだけではないのか?
改めて考えてみると末期感がある。