「これからはデジタルの世界で遊ぶしかありませんね」
高学年の女の子は、あきらめたようにつぶやくと、それきり口を閉ざしました。
杉並区の掲げる待機児童緊急対策で、
今日、私たちの大切な公園が失われました。
近所の人しか使っていない、街のちっぽけな公園。
でも、都市に住む人間には、なくてはならない存在です。
あの小さな公園がなくなったら、
密室育児に追いつめられた母親たちは、一体、どこで疲れをいやしたらいいのでしょう?
親が不在の時間を、たくさんの友達と公園で過ごしていた、親が働くのに学童保育に入れない小学生は、一体どこで過ごしたらいいのでしょう?
想像してみてください。公園がなくなった世界を。
かけがえのない我が子に、手をあげてしまう母親。
居場所を求め、街をさまよう子どもたち。
サッカー選手を夢見ていた少年は、バーチャルな世界に引きこもるかもしれません。
「児童虐待」
「孤独な子どもが犠牲になる事件や犯罪」
「ネット依存」
「引きこもり」
今、日本にある社会問題は待機児童だけではないはずです。
都市の公園がなくなるということは、そんな危険ととなり合わせ。
「待機児童は国の緊急課題」
誰もが反論できないその言葉の陰で、子どもが泣いてる世の中ってどうですか?
泣きつかれた子どもたちの瞳から、希望の光が消えかけています。
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