イギリスのEU離脱の是非を問う住民投票をみていて、大変に感慨深いものがありました。不誠実な言い訳でチャンスをつぶさず正々堂々と向き合ったイギリスの国民と議員の方々を心から尊敬します。
先駆者になることは大変勇気のいることですが、イギリスは未来を自分たちで切り開く覚悟と力があるということを世界にアピールしました。
お茶を濁してやり過ごすことばかり繰り返している昨今の主流を見ていると、今の世界は根回しと調整と談合で成り立っているように見えます。
議会制民主主義という意思決定のプロセスが破綻しようとしていることに気づきながらも、その呪縛を打ち破れない人たちは、いつも問題の本質から目を背け、言い訳をし、丸め込むことに必死です。
その結果、本質は処理されず先送りされ”Change”という言葉だけが虚しく響きます。
もうすぐ参議院選挙がありますが、「私は現状をできるだけ維持します!」と主張する候補者は少ないんじゃないかと思います。
でもほとんどの議員が当選後には本質の一番外側をそっと撫で回して関係者とニヤニヤするだけです。
中国が南沙諸島や尖閣諸島を侵略しようとしている現状は中国共産党の意志であり、中国にとっての本質です。その是非は別として、問題に真っ向から取り組む意志と行動力を見せつけられた世界はオロオロすることしかできません。
中国に対して「現状を変更していることに懸念」ではなく「侵略するのをやめろ」と指摘できない世界には中国の意志を止めることは難しいでしょう。
変える意志をもてない代表者は駆逐される時代が始まるのか、それともこの流れを食い止め再び淀ませることができるのか、今回のイギリスのEU離脱問題は経済問題だけでなく、アメリカの大統領選挙など、人々の心にも影響しそうです。