レターズ/ヴァニシング2を読んだ。一作目から尖った作風が露呈してたけど、二作目になって更に吹っ切れたのかな。個人的に結構読みづらいSFになってた。
ラノベと文芸書の中間って感じの内容だった。綿密に配置された設定と、ところどころ散見された学術的な引用がスワロウテイル人工少女販売処を髣髴とさせる小説だったんだけど、一巻との直接的な繋がりが希薄だったから世界観に浸るのが少し難儀した。
ぽつぽつと各章で提示される情報が最後の方で一本にまとまっていく様子が良かった。少し前に書かれていた発見がここに繋がるのかってわくわくした。
一方で人間描写に難有りというか、どいつもこいつも人格形成に問題を抱えている上に未成熟でいびつな偏り方をしてるもんだから、あんまりみんな好きになれなかった。
突き抜けてるキャラクターしか出ないところがラノベらしいと言えばラノベらしいのだけれど、生身すぎる。どんな心情なのか分かりやすいんだけど、痛ましくて見ていられない感じがした。
また文体が硬いことも相まって、設定の説明が多く感じられた。人工知能の生命性や、臓器培養における倫理観など、生命に関することなら興味深く読み進められたんだけど、ハッキングの技術やソフトウェアの設計思想など、モノへの技術的アプローチの話になると、あんまり興味がわかないので集中できなかった。いい意味でも悪い意味でも過剰かなって思う。
とは言え、なんか脱獄しそうな人もいるし、三巻が出たら読みたいと思う。
ちゃんと出るんですよね?