例1)
A:この店のラーメン美味しいよね!
B:逆にマズイでしょ。
例2)
B:いや、逆に明後日じゃない?
と、このように「逆に」は世の中に氾濫している。ときに何も逆ではないときにも「逆に」は使われる。
今やこの言葉は「なんか」とか「あの」とか「well…」の地位を奪おうとしている。「あの、このバスは〇〇に行きますか?」と言っていた人が「逆に、このバスは〇〇に行きますか?」と言いだすということだ。
以下は、「逆に」についての持論。あくまでも持論。
「逆に」は主にマウンティングの手段として用いられていた。つまり、自分が優位に立つためや相手の主張を否定する目的で使用されていたのだ。
例3)
B:えっ!逆に、今時テレビ見るんですね。
例4)
A:10代の頃は食べても太らなかったけど、今はほんとに太りやすくなったわ。
B:逆に、私はずっと太らないよ。
と、このように一部の人間たちがあまりにも逆に逆に言っていた。
というわけで逆に逆に言われた側が、「逆に」を使う人をちょっとバカにしようと思い始めたのだ。どうバカにするかというと、何も逆ではないところで「逆に」という言葉を使うのである。つまり相手の言葉を真似ておちょくるということだ。
例5)
A:昨日の夜はあまり眠れなかったなぁ。
B:逆に普段が寝すぎなんじゃないの?
もはやカオス。
しかし私が思うに、
現在「逆に」はかなり多くの人に受け入れられ、何も逆ではないところで敢えて「逆に」と言うのは面白いという地位まで確立しつつある。
そして、
普段イエスマンになっていてなかなか相手に自分の意見を言えない人が「逆に」と冗談めかして言うことで、波風立てずに反対意見を言うことができるという、超有効利用もされている。
このように「逆に」は人々の間に浸透していった。私たちの無意識下に入り込み、もはや意図せずして「逆に」と言ってしまうようになった人もいる。
攻撃として使われたり人を笑わせるために使われたり、忌み嫌われたり受け入れられたり、空気のように当たり前の存在になったり。
「逆に」は私の想像を上回る。
「逆に」の今後の躍進に、逆に期待している。