2015-10-06

幼なじみ結婚した。

異性の幼なじみで、小さい頃は互いの家を行き来してよく遊んだものだ。

中学までは同じ学校に通っていて、同じ高校を志望していたけれど、私は受かり、彼は落ちた。

それからはまるきり疎遠である

歩いて3分とかからない距離なのに、会話どころか会うことすらなかった。

大学に進学したにはしたけれど、途中で病気になり退学したことは聞いていた。

互いのことを人伝てに聞くのみの関係で、結婚したらしいということも、私は母経由で聞いたのだった。

別に何の感慨もなかった。日々ころころと流れていくばかりのニュースを聞くかのように。

ただ、気になっていることがある。

私だけが把握している、私と彼の共通点がある。

それは、遺伝性の病質を抱えているということだ。

彼の母はその病気が原因で若くして亡くなった。

彼が大学を退学したのも、病気発症たからだった。

病気の影響からか、彼は同年代男性に比べて、きっと私よりも白く細い体つきをしている。

子どもも生まれたと聞いたけれど、そう滅多にできるものでもないらしい。

よく、よくも、子どもを作り、育てることになったものだと、その点においては感心した。

しかすると、尊敬することにもなるかもしれない。

私は怖い。子どもを産むことが。

私の母方の実家は古い農家で、話を聞く限り血が濃いようだ。

その影響か、母の姉妹の半数程度は自律神経失調症を患っており、従兄弟と、そして私の妹は統合失調症発症し、障害者手帳交付を受けている。

もしも、自分の子どもが病気になったら、それも自分血筋を受け継いだために、と思うと恐ろしくて堪らない。

恋人と呼べる人はいないけれど、もしこの先結婚するようなことになっても、子どもは産めないと思う。

だけど自分が生きた証をどこかしらに留めておきたくて、細々と話を書いている。

ただ生きるだけは生きて、父母ともしかすると妹を見届けてから、誰にも迷惑を掛けないようにぽっくり逝くというのが理想だ。

我が身の血脈のものを遺したいとは思えない、不幸が蔓延するかもしれないから

しかし、彼はそんなものをぽんと飛び越えて、子どもを作り、どこかしらで出会っただろうお嬢さんと家庭を築いている。

それは途方もなく素晴らしいことなのだと、偉大なことなのだと、今の私には思えるのだ。

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