その先輩と私は同じ学部で、サークルも一緒だった。専攻は、とある文系の学問とだけしておく。
私がサークルを辞めると同時にその先輩とは疎遠になったのだが、その後数年を経て、FBで友達になった。
サークルをやめてからその先輩とは疎遠になっていたので、その後の足取りを私は知らない。だが、先輩のFBでの活動は見ててとてもつらかった。
原発絡みのデマ記事をシェアして、師事していた教授から「それはデマだよ」とツッコミを受ける。
「どうしてお金なんてあるんだろう」と貨幣経済を否定するつぶやきをして、やはり師事していた教授から「経済学をイチから勉強したらいいよ」とツッコミを受ける。
ワクチンを全否定する記事をシェアするも、友人っぽい人からは内容にほとんど触れられずに「最近元気してる?」とコメントがつく。
最近では、明治維新は陰謀だと主張している。何を言っているのか最初本当にわからなくて調べてみたが、BLACK LAGOONのファビオラ曰く「タブロイド誌のバカ記事」にでもなりそうな内容だった。
その先輩が次に何を言ってくるのかワクワクしている反面、次から次へとデマや陰謀やニセ科学を信じてシェアする姿は、見ていて痛々しいものがあった。
私個人としては、別に政治的な信条などはどうでもいいのだけれど、とりあえず先輩に言いたいのは、「デマや陰謀を信じるのはやめようよ」ってことである。そういうのに騙されないために、我々も、学生も、大学で勉強をやってきたのではないのだろうか。誰か止める人はいなかったのだろうか。このままいくのとどうなるのだろうか。知り合った時とはまるで違う先輩の姿に、戸惑いとともにある種の喪失感のようなものを覚えた。