「この研究のオリジナリティは?」って耳にタコができるほど言われる大学院生だけど、色んな研究を見てきて、本当の意味でオリジナリティがある研究なんて一握りしかないと思っている。
①○○を原料にして××を作った。
②××を△△に適用した。
このふたつの研究は存在するのに、○○を原料にして作った××を△△に適用したら今までよりもめちゃくちゃよかったぜ!!なんていう、その2つの足し算みたいな研究が認められて論文になったりする。まあ、ある程度成熟した分野っていうのはニッチな方向に進むのも確かなんだけど……。
話題のデザイン界の問題は、他人の論文だけで自分の論文を書いちゃったみたいなもので、それがレビュー論文ならまだよかったのだろうが、他人の論文からデータを集めて、さらに改竄まで加えてちょっと新しいでしょ?って発表しちゃったことだろう。
発表の場がマイナー学会の支部大会程度ならバレないのかもしれないけど、世界規模の学会の基調講演じゃお手上げだよ。芋づる式に過去の不正が見つかって、博士論文も取り下げられるかもね。
研究者が大切にしなくちゃいけないのは誠意だ、ってうちの教授はいつも言っている。そういうメンタリティが研究者を研究者にしているのだと。
この問題はもう民意がズバズバ入っちゃっていて、本質なんてどうでもよくなってしまっているように思える。外から見ていてやるせないのは、デザイナーという職業が日に日に低く見られていっていること。まるで小保方さんのときみたいだ。
業界全体で「デザイナー」のメンタリティをしっかりと発揮してほしいと思う。ひとりひとりのデザイナーが、デザイナーのメンタリティを見せて欲しい。