ブログ「白人のいる風景」の人と言えば、少しはピンとくる人も出てくるだろうか。白人のいる風景 【犯罪】 東南アジア某所にて 2007年4月26日撮影 [crime] White Sex Tourists in S.E.Asia彼の書いた文章の中では、このエントリーが特に有名だろう。
東南アジアにおける白人の横暴や、人種主義について、旅行者の立場から一貫して告発を続けてきたブロガーだ。
彼のTwitterから、ネパール大地震の2日前、4月23日の時点でカトマンズ近郊にいたことはわかる。
https://twitter.com/kuantanlog
大地震は4月25日だが、4月23日以降、更新が一切ないのだ。
kuantan氏はネット有名人というほどでもないが、私は10年ほど前から彼の書く文章をずっと追い続けてきた。
私は仕事で東南アジアに数年住んでいたことがあり、彼の書く「白人の横暴」や東南アジアにおける「白人優遇」の告発が、私の目撃した実態に近いと感じていた。
実際、東南アジア在住者の多くは彼のブログやTwitterをこっそり見ていたのではないだろうか。
人の心を突き刺すような文体で、核心を突く。私は彼の文章のひそかなファンであった。
彼の最高傑作はマラッカ航海日誌補遺 TG(タイ航空)のひどさについてこの記事であろう。
彼の文章自体は痛快なものだが、初めて読んだ当時は、東南アジアにおける人種主義の根深さに陰鬱とした気分になったものだ。
皇室やネット右翼についてもブログやTwitterで繰り返し批判していた。彼のブログを読んで発狂したネトウヨがコメント欄に突撃し、ことごとく論破されたのも一度や二度ではない。
舌鋒は鋭いが、決して炎上マーケティングというわけでもなく、どことなく知性を感じる語り口で、彼の持論には共感することが多かった。
彼の文章が多く人の目に触れるようになったことはネット社会のもたらした大きな利点であると言ってもいい。
ただ近年は、ブログやTwitterから、金に困っている様子が伺え、ひそかに心配していた。友人もいる気配はなく、家族とも縁が薄そうなので、ネパールの被災地復興が思うように進まなければ、身元不明の遺体として処理されてしまう可能性もあるのではないだろうか。
kuantan氏の無事を祈っている。
ネット環境か電気が断たれただけでは?と思いたい