週末に美術館に行ってきたら、「香害」というのだろうか、「香水や柔軟剤の香りで気分が悪くなる人がいるから配慮してね」というポスターが貼ってあった。それ自体に異論はないのだが、そこに「化学物質過敏症」の文言があって、ん?となった。しかもごていねいに※印で、「化学物質過敏症を知っていますか」と注釈までついている。
美術館のスタッフに「化学物質過敏症」の人でもいるのかな、と思ったが、よくよく見ると下の方に四角い枠があって「ここに施設名を入力してください」と書いてある。つまり、旗振り役がどこかにいて、公共施設でこういうものを掲示してください、と活動しているということなんだろなーと推測して、そのまま忘れていた。
さっき、はてブのトップにこのエントリが上がっているのを見て、あ、そういえばあのポスターはなんだったんだろう、と思いだしてググったら一発でヒットした。
市かー。市が主体かー。
こういう自治体って結構あるのかな、と調べてみると、2010年現在で50以上というから、いまはもっと多いだろう。
どうやらこれは、患者さん(団体?個人?)がロビー活動を頑張った結果のようで…。
市長ポストへのメール(化学物質過敏症に関する職員周知について) | 出雲市
職員の方に対しての化学物質過敏症の周知について。 | 宜野湾市公式ホームページ
(文章がほぼ同じ)
いや、実際問題、強すぎる香りはだれだって迷惑だと思うんですよ。とくに美術館のような一定時間滞在する施設で、近くにクッサイ人がいたらそりゃイヤですよ。でもそれなら「マナー」だけを焦点にしたって啓発ポスターは作れると思うし、そこにわざわざ賛否ある「化学物質過敏症」を入れなくてもいいでしょ、と思うんだけどね…。自治体の立場からすれば、要望書が届いたら検討せざるを得ないのか…。
ずっとこの問題を追ってる人には当たり前の話なのかもしれないけど、こんな形で「化学物質過敏症」が浸透してるのを初めて知ったぜ。