はてなブックマーク - 『江戸しぐさの正体』重版に寄せて—— 一枚の写真から感じる日本の義務教育の「危うさ」 | 最前線 - フィクション・コミック・Webエンターテイメント
些細な問題なんだけど、はてなーがまるっきりスルーしてしまうのもどうかと思った。
試し読みhttp://ji-sedai.jp/book/publication/works/edo_02.pdf
ここのP42、「傘かしげ」に関する批判の根拠として、色々気になる箇所がある。
まず、名所江戸百景を例に挙げ「雨の中、蓑傘を着た人に混ざって(略)しばしば傘をすぼめるようにして持っている。」
このあたりで引っかかったので、ちゃんと調べて見る必要があると思ってまあググった。
なんで引っかかったというと、広重の名所江戸百景のすぼめた傘の話に【大はしあたけの夕立】がまず思い出され、
いやそれは雨や風の激しさを表現する情景描写の手法というのが一般的な認識じゃないかとモヤモヤしたからだ。
その後すぐに検証しなかったのはホッテントリを消費するブックマーカーの性である。
さてそういう訳で、和傘に関する認識が、確認のためにぐぐってみればみるほど、ちょっとおかしいなと感じてしまう。
「そして、和傘はスプリングが入った洋傘に比べ、すぼめたまま手で固定するのが楽な構造になっているのだ」
雨のしみこんだ重い和傘(番傘)を、ずっとすぼめて手で支えるというのは重くないか?おまけに両手を常にふさいでしまう。
和傘は広げて固定して肩で支えるように使うもの、というのがしっくりくるんじゃないだろうか。
また日傘やにわか雨用途と思われる、蛇の目傘は二段階に固定できる構造で、やや綴じ気味にして差せる事も無視してないか。
思うに、洋傘=スプリングという認識から、和傘と洋傘の違いを、ジャンプ傘の発明と混同してるんじゃないかなあという疑いを持った。
もう一つ、すれ違いに関する記述も気になった。
和傘は雨で濡れる和紙であり、傘同士が触れ合うとお互いの骨で簡単に破れてしまう欠点も無視している。
いやこれ、批判対象として引用分中で「...とともに、ぶつかって傘を破らないようにする実利的な意味も含んでいた」とエクスキューズしているんだけども。
「さらに、江戸の路地で「傘かしげ」を行うには別の問題もある...」