「発達障害『だから』懲役を伸ばそう」という裁判員裁判判決があり、猛批判を浴びた。
「裁判員を6人も用意しておけば、極端な意見の持ち主が仮にいたとしても、
それが多数派になることは、まあないだろう」という楽観主義に基づいて、制度設計したのではないか?
制度設計時に、チキンと統計学の先生とか、呼んで議論したのだろうか?
仮に
「極端な意見を持っていて、それを法廷でも撤回しない、トンデモ市民、モンスター市民」が
「10人に1人程度の異常者が市民に紛れ込んでも、トンデモ判決が出現することは、まずない」
と考えていたのでは?
「10人に1人のトンデモ市民が、裁判員6人の中の多数派(4人以上)を占める確率」は、
いくらなんだろうか?
6人全員が普通市民の確率=0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9=0.531441
=0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.1×6=0.354294
=0.9×0.9×0.9×0.9×0.1×0.1×15=0.098415
=0.9×0.9×0.9×0.1×0.1×0.1×20=0.01458
=0.9×0.9×0.1×0.1×0.1×0.1×15=0.001215
=0.9×0.1×0.1×0.1×0.1×0.1×6=0.000054
6人全員がトンデモ市民の確率=0.1×0.1×0.1×0.1×0.1×0.1=0.000001
ということで、
0.001215+0.000054+0.000001=0.00127=0.127%
http://www.saibanin.courts.go.jp/topics/pdf/09_12_05-10jissi_jyoukyou/02.pdf
によれば、制度施行(2009年5月)から2012年1月までの裁判員裁判件数は4,840件
よって、制度開始移行2012年1月まで、4,804件×0.127%=6件程度は
「トンデモ裁判員が多数派を占める法廷」で審理された、ということになる。
たまたま6件のうち一件が、大阪地裁のトンデモ判決だった、というだけで、
確率論的には、「トンデモ判決が数回は出現することは、何らおかしくない」のである。
「職業裁判官がいるから、トンデモ判決が出そうになっても、歯止めを掛けてくれるハズだ」と
期待していたと思うが、昨今の法曹界の流れは、
「裁判員の意見を、極力尊重するように」という流れになっている、と聞く。
「よほどのことがない限り、二審でも裁判員判決・量刑を追認する」という流れになっているため、
とはいえ、トンデモ職業裁判官も0.1%以上いそうな気がするし(名前忘れたけど、自分の主義主張のためにケースを使うキワモノが何人か地裁にいるとか聞いた)、その程度なら受忍すべき...