今日の日経産業新聞に、電子マネーにおける日本勢の世界戦略が紹介されていた。
それによれば、北米等ではFelICa外しが進んでおり、日本勢はdocomoが中国に、KDDIとSoftbankが韓国に、実験レベルでの提携を持ちかけるのだという。アジア連合を作って欧米に対抗する戦略らしい。
これでは敗戦は確実だ。
まずアジア連合という発想は2つの点で誤っている。第1にiPhone5その他の欧米端末による圧力に対抗できない。第2にアジアの主力となるべきサムスンは既にGoogleウォレットを搭載したGyalaxyを出しており北米陣営に属している。
次に、経済圏を作ろうにも手遅れだ。北米版おサイフケータイは来年中に相当数が出回り、再来年末までにキラーとなる機種(例えばiPhone5)が発売することで、情勢は決定付けられるだろう。アジアで今から実証実験をしていても間に合わない。
そもそもアジアに参入障壁を作って対抗するというのが筋が悪い。ましてそれを国内3社等がバラバラに行うのだから勝てるわけがない。
この戦略を採れば、5年は日本国内でだけ海外の潮流に抵抗できるだろうが、それだけだ。世界が追い付き追い抜いた後に、ようやく諦めて海外端末の後追いを始めることになる。
おサイフケータイ戦争に勝とうと思うなら、なりふり構わぬ手を使うべきだ。
私は、Appleに大きな利益供与をしてiPhone5にFelica(のみ)を採用させるべきだと考える。
AppleはGoogleウォレットと敵対関係にあるから、Googleウォレットの普及を阻む利益がある。また欧米人には初めての実用レベルでの電子マネーとして画期的に映るから、Appleのイメージ戦略に合う。
重要なのは、現在iPhoneは世界的な影響力を有し、かつその影響力は4,5年後には凋落することだ。Appleへの上納金のデメリットは長くは続かない。
国内の企業・業種を跨ぐ総力を投じて、北米市場を掌握する必要がある。