今日、ファッションビルの鉄道体験マシーンで一人遊ぶおじさんを見た。
ダンガリーシャツをベルトインした細身の姿は、所謂オタクオーラを放っていた。
見るからに女性と縁があり得なそうな、飲み会に義務で行っても何も喋らず即帰宅っぽい
要するに、ステレオタイプのオタク見本みたいな見た目のおじさんだった。
ああ、この人は、彼女もなく、「リア充」めいた遊びとも無縁で、
職場でも周りとのコミュは必要最低限で、オフの付き合いは鉄オタ関係者、
ただ鉄道への興味を人生の僅かな楽しみとして生きているのだろう。
おじさんの姿は、私にそう思わせた。
もし私が高校生だったら
「うわ〜wwwもろオワッテルオタク見ちゃったwwwマジ人生可哀想www将来ああはなるまいwww」
しかし今も、おじさんを見て「うわ〜オタクの見本だ」と目を奪われ
「女性と縁があり得なそう」だの「鉄道への興味を人生の僅かな楽しみ」だの随分な観察の仕方をしている。
勿論、おじさんをオタクの見本として見世物的な消費をするのは最低の事だし、
鉄道体験マシーンで遊ぶのは、おじさんの大切な一時なのかもしれず、
おじさんが趣味のために幸福な時間を過ごすことを祝福すべきなのだと思う。
けれども、あのおじさんを見て素直に微笑ましいと思えず、
・鉄道体験マシーンなんて、子供たちが遊ぶものなのにおじさんが遊んでいるのは変という偏見。
・着飾った男女が多いファッションビルの一角なのに、見るからに浮いているのも変という偏見。
・おじさんの普段の生活を思うと、歳相応の普通の楽しみには恵まれてなさそうで、
・何かに打ち込んだり圧倒的知識を蓄えている「オタク」が好きだという私の属性。
なんで「話しかければよかったのか」と思うのかが完全に分からない