2011-10-08

iPhoneの"実質負担額"に隠された報奨金制度と割賦制度歴史

先日、iPhone4SKDDI でも取り扱いが始まったということで、一部ではその話題で持ち切りです

そこで、必ずと言ってもいいほど 取りざたされている ”端末の実質負担額” ここには様々な思惑が隠された歴史があります

この記事では、それについて掘り下げて話していこうと思います

そもそも実質負担額とは

いわゆる割賦(かっぷ)制度という名で呼ばれる仕組みにより、人々は実際の端末価格より低価格で端末を購入することができます

例えば、割賦制度最初に導入したソフトバンクは、2年間の利用を前提(いわゆる2年縛り)に月々の支払額を1,920円割り引き、

本来一括で払ってもらいたい端末代金を24回払いのローンとして支払ってもらう。という施策をとっています

月々のローン支払額とは、ソフトバンクiPhone4S で言えば、16GBモデルが 月々のローン支払額が1,920円。32GBモデルが 2,400円。64GBモデルが 2,800円。

このとき、”月々のローン支払い額 - 割引額(1,920円)” した結果。これが実質負担です

16GBモデルなら 実質0円。32GBモデルなら 実質480円。64GBなら 実質880円です

実質負担額以上に払う必要のあるケース

実質負担額というのは、月々のローン支払額に対して、割引を適応した場合価格だということがわかったところで、

ではどういった時に 実質負担額以上に支払う必要があるのか。つまり、割引が適応されなくなるのか。という話をしてみましょう。

このあたりの仕組みは、単純で携帯キャリアにとって、割引をするメリットがないときです

例えば、2年間利用するという前提で利用しているにも関わらず、途中で解約をしたとき

このとき、割賦の残りの月数に対しては割引は適応されません。

解約

iPhone4S 16GB モデルを利用している人が 12ヶ月割賦が残った状態で解約すると、

本来実質負担額0円で購入した iPhone4S ですが、残りの12ヶ月に対しては割引が適応されませんので、

解約時に残り12ヶ月の割引額である 23,040円を支払う必要があります

機種変更

iPhone4 16GBモデル を実質負担額0円で利用している人が 12ヶ月利用したところで、iPhone4S が発売され、

同じく16GBモデルを 実質0円で契約する時には、iPhone4 の後半12ヶ月と iPhone4S の前半12ヶ月の期間は重複しますが、

当然、この期間の割引は多重でかかることはありませんので、機種変更の際に iPhone4 の残り12ヶ月間の割引額である 23,040円を支払う必要があります

ただし、ソフトバンクは このケースにおいては 一括で払わなくても 残りの12ヶ月分の支払いを割引無しで、以降12ヶ月間 月々の支払いに上乗せして支払う。という方法が利用できます

なんでこんなわかりにくい仕組みになったの?

この仕組みを国内最初に導入したのはソフトバンクです。なぜソフトバンクはこんなややこしい制度を導入することにしたのでしょうか。

これを理解するためには ”端末販売報奨金制度” を理解しなければなりません。

端末販売報奨金制度とは

端末販売報奨金制度 というのは、端末を販売した販売店に携帯キャリアが報奨金(インセンティブ)を支払う仕組みのことです

日本においてはこの仕組みのおかげで、販売店は端末を赤字で販売しても報奨金が手に入る為 販売価格を安くすることが出来ました。

しかし、携帯キャリアはその報奨金をどこから捻出しているのか。といえば、当然 携帯電話を利用する人々の利用料金からです

それにより、日本携帯電話の月々の利用料金は高止まりしたままでした。

携帯電話コロコロ機種変更する人の為に支払われる報奨金と、5年間機種変更をしない人の為に支払われる報奨金では前者の方が多くなり不公平な制度でした。

これに対して懸念を示した総務省はこの 端末販売報奨金制度 の廃止を段階的にするよう携帯キャリア通達しました。

そして、最初に動いたのがソフトバンクです

なぜソフトバンクは割賦制度を導入したのか

総務省から通達をうけて最初に動いたのはソフトバンクでした。

ソフトバンクは 割賦制度 を導入して 端末販売報奨金制度 を廃止することにしたのです

ただ 端末販売報奨金制度 を廃止したのでは、店頭での携帯電話価格が高騰してしまい、人々は機種変更をしなくなってしまます

そこで、2年間の利用を前提として、月々の利用料金を割引し、端末代金の実質負担額を 端末販売報奨金制度 導入前と大差ないようにしたのです

まり、端末販売報奨金制度 として販売店に支払っていた分のお金を 月々の利用料金の割引に充てる事で、

人々の月々の利用額も、端末の負担額も大きく変更する事なくサービス提供する手段を生み出したのです

この 割賦制度はその後 ドコモKDDI も導入する事になりました。ただし、その方法は若干異なりました。

ドコモKDDIの割賦制度

ドコモKDDIも割賦制度を導入する事にしましたが、ソフトバンクとはその方法が若干異なりました。

確かに割賦制度は導入したのですが、ソフトバンクが行っていた月々の割引は行いませんでした。

まり、単純に 端末販売報奨金制度 をやめて、高額になった端末代金をローンで支払う事で誤摩化す。という方法でした。

その為ソフトバンクに対してこれら2社では、最新機種を利用した場合の利用額はソフトバンク比較すると約2,000円高くなっていました。

これが、ソフトバンクが安い安いとうたっていた由縁です

しかし、ドコモKDDIに関しても、最新機種では割高ですが、時間の経過とともに端末価格が下がっていきましたので、

旧機種を利用すれば、端末価格は安くなり、割賦で支払う金額も安くなっていました。

ここが、たとえ1年前の iPhone4 16GB でも、最新の iPhone4S 16GB でも実質負担額の変わらないソフトバンクとは異なります

はいえ、これら2社も最近では 2年間の利用を前提に、月々割り引くサービスを開始しており、

これにより KDDIiPhone4Sソフトバンクものと対して価格差がなくなっています

まとめ

というわけで、長々と書きましたが、割賦制度の仕組みと、なぜ割賦制度誕生したのか ご理解いただけましたでしょうか。

  • 概ね間違ってはいないが、今更それを説明しなきゃいけない意味がよくわからん。記憶が確かなら、端末分割支払い制度が発足したのは三年以上前だぞ。その三年の間に携帯電話を一台...

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