2023-11-01

イスラエルハマスガザ人間の盾ゲリラ国際法

イスラエルガザ難民キャンプ空爆していると言う記事で、イスラエル非難一色だ。(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/nordot.app/1092178991380660880

気持ちはよく分かる。一刻も早い停戦がなされて欲しい。

ただ、ここではそういったお気持ちではなくイスラエル側の理路を見ていこうと思う。

イスラエルの主張の真偽

イスラエル報道官は米CNNテレビに対し、ハマス司令官を狙った空爆だったと明らかにした。」(前傾記事)とのことだ。

そして、ハマス司令官がこの爆撃で死亡したことハマスも認めている(https://news.yahoo.co.jp/articles/0e61e6bf22fc5f7006587836ed0f231cb335f08c)ので、イスラエルの主張は真としていいだろう。

何故民間人を巻き込むのか

人間の盾違法性

イスラエルは「ハマス市民を「人間の盾」に使っていると改めて主張した。」としている。また、今回の爆撃でハマス司令官が死亡していることからも、周りの民間人人間の盾として、その中に司令官がいたと言えるだろう。

人間の盾とは、改めて言うまでもないが目標物の内部や近隣に文民(非戦闘員)を配し、攻撃を思い止まらせたり、あえて攻撃させて敵を非難する宣伝材料にすることだ。

戦時国際法(国際人道法)は(ハマスなどの武装組織も含めて)国として認められていなくとも紛争当事者であり権利義務があること、軍民は分離し軍は文民保護することなどを規定している。すなわち、人間の盾を用いること(ここではハマス)は明白に国際法違反し、戦争犯罪を犯しているということだ。ちなみに人質戦争犯罪でもあり、ハマスはこの点で擁護余地はない。

テロリストゲリラについて

国と承認されてなくとも国際法上の軍であるという規定重要で、例えば台湾のように中国視点では国内問題であったりゲリラであっても一定権利義務が生じることになる。よく言われる、「アイツら(俺ら)はゲリラから何やってもいい」とはならない。ゲリラ交戦資格を認めるかというのは何十年も議論されてきたが、各種独立戦争などを経て認める方向で決着がついている。

人間の盾という戦争犯罪にたいして相手側ができる措置

ここが現行国際法規定がないところだ。

一切の手出しができないとなると、相手軍事施設攻撃をするだけして、反撃されそうになったら人間の盾を用いるという戦術有効になってしまう。

国によっては(多くの国では)、人間の盾を含むへの攻撃交戦規定違法とされているが、あくまでこれは国内法上のことに過ぎず、国際的抑止力とはならない。

イスラエル立場とすれば「戦争犯罪を行ってるのはハマスだろ?なんで俺らがそれを考慮してやらなきゃならんのだ」というところだろう。

ハマスは軍民を区別し、文民保護する義務がある。すなわち、基地民間施設とは分離して作る必要があるし、逃げ込むにしても民間人の中に逃げ込んではいけないと言うことだ。

国際法上の対抗措置

国際社会には警察裁判所がないため、最終的には自力救済世界となる。その態様として「復仇(武力復仇の是非は議論余地あり)」「対抗措置」「自衛」などがある。

今回のイスラエル措置はその均衡性に大きな問題がある刑法でいうところの過剰防衛)ように思われる。

まとめ

当然各国政府はこういった国際法を熟知した上で反応している。

特にこのロジックを積み重ねてきた西欧インテリであればあるほど、「イスラエルの行動は人道的には非難できるんだけど直ちに違法とは…うーん」となってしまうだろう。

まぁ相手を暴発するように追い込んで悪役にして叩き潰すってのは常道でもあるからね。

  • とりあえずイスラエル叩いときゃ正義みたいなのは辟易するね

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