2023-08-20

しかたことを書く。オチはない。


数年間会っていなかったネットの知り合いと飲みに行った。

彼のことを仮にAとする。

Aとは10年以上の付き合いで、出会った頃はよくオフでも遊んでいたし、プライベートな話も気兼ねなくできるくらいの仲だった。

最近はお互いに引っ越し物理的な距離が広がってしまたことと、活動ジャンルが被らない、というかそもそも俺の方がいわゆるオタク的なコンテンツから離れていることもあって、相互フォローTwitter(ここではしゃらくさいのでXではなくTwitterという認識で書く)でなんとなく近況を把握している、くらいの関係性になっていた。

先日、俺がAの住んでいる地域旅行することになり、その旨をツイートしたところAから「夜なら予定が空いているから飲みに行かないか」と誘われた。

オフで顔を合わせるのは5年ぶりのことで、俺は結構楽しみにしていた。


でも、実際にAと飲んで帰る頃には悲しい気持ちになってしまっていた。

なぜかと言うと、Aの出す話題が「インターネットの悪い部分」の煮凝りばかりだったからだ。


関西人でもないのに、イントネーションがぐちゃぐちゃの関西弁で喋る。

Twitterでよく見る、しか元ネタはよく知らないミーム慣用句のように多用する。

極め付けにひどかったのは、肉を食べながらヴィーガン茶化す話を振ってきたことだった。

「こんなに美味いのにヴィーガンの人たちは食べられないなんて損してるよな」からまり、「どうすればヴィーガンに肉を食べさせることができるのか」という大喜利を繰り広げてきた。

そこで飛び出してくる発言からは、Aがヴィーガニズムという思想やそれに伴う生活実践を上っ面しか知らないこと、そして知らないにも関わらず、Twitterをはじめとしたインターネット上で展開されるヴィーガンバカにした言説を完全に内面化してしまって「バカにしてもいい属性」としてヴィーガンのことを認識しているのだということが滲み出ていた。

俺はそれを聞きながら、正直かなり不快だった。

しかしAはAなりに、5年ぶりに再開した友人を楽しませようと思って話題を選定しているのかもしれないのに、「ネタマジレス」されたAはどう感じるだろうか、と想像して、俺はそのヴィーガンネタを軽く流してしまった。


Aと直接顔を合わせたのだから普段Twitterには書けないようなプライベートな話もしたかったが、そんな調子で何の実りもない時間を過ごして解散してしまった。

何を話したのか、ほとんど記憶がない。

プライベートなことは一切喋らなかったし、俺から話題提供することもなかった。

俺の方から話題を降ればよかったのかもしれない。最近仕事はどうなのかとか。

でもAはTwitterで「仕事がつらい」という話をよくしていて、もしかしてこんなにも身のないインターネットの話しかしないのは現実逃避なのか、それなら下手に現実を思い出させることなく逃避させてやった方がいいのか、などと考えてしまって、何も踏み込めなかった。


Aの態度があまりにもインターネットの嫌な部分そのままでブロックできないアカウントからリプライを受け続けているという感覚に近かった。

もはやAと喋っていると言うよりも、Aに乗り移った「インターネット」と会話をしている気分になった。そこにAはいなかった。

かつては親しみを覚えていた友人に対して、自分がそんなふうに感じてしまっていること自体が悲しかった。

  • 増田が喋った!

  • ????「こんにちは、インターネットです…」

  • 久しぶりの再会なのに君からは自分から盛り上げようという気が感じられない。 いわゆる上から目線。 君には増田が乗り移ってるな。

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